都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「石川直樹『POLAR』」 SCAI
SCAI THE BATHHOUSE(台東区谷中6-1-23)
「石川直樹『POLAR』」
11/16-12/22
「2001年に七大陸の世界最高峰登頂の世界最年少記録を塗り替えた偉業」(*)も持つという、冒険家でありまた写真家でもある石川直樹の個展です。タイトルのPOLAR、つまりは北極の名が示す通り、自身の足で踏みしめたかの大地を鮮やかな写真で切り取ります。
入ってすぐの展示スペースには、雪原などを鳥瞰的に捉えた写真が展示されていますが、奥の部屋へ進むと、氷と雪、そしてそこに降り注ぐ純白の光に包まれた北極圏の姿が多様に写し出されていました。氷壁をフレームいっぱいにおさめた「Iceberg」(2007)は、さながら塩の結晶などを顕微鏡で拡大して接写したかのような質感を示し、また白んだ空の元で吹雪にのまれる山はまるで水墨画のような幽玄な雰囲気を醸し出しています。そして石川の「冒険」を感じさせる作品としては、犬ぞりの犬たちと暮らす人びとの姿を写した6点の連作でしょう。全体的に彼の写真は静的で、大自然の険しさよりも、そこにあるそのままの美しさを素直に引き出したものが目立ちますが、これだけは自然と格闘する犬や人間たちの確かな営みが記録されています。またさらに雪原の墓地を写した「Grave yard/llulissat 」(2006)も、同じくこの不毛の雪原に見る死と反対の生が強くにじみ出ているようにも感じられました。
有り体に言うと、作品から「作家自身が自らの足でたどりつき、肌で感じ獲得した、痛いまでに凝縮された感覚」(*)を知ることは出来ませんでしたが、北極の地がまるでどこかの近い雪国のように見えてくること自体が、石川の人生と冒険との濃密な関係を伺わせる証しなのかもしれません。
「POLAR/石川直樹」
12月22日までの開催です。(11/17)
(*)画廊HPより引用。
*関連リンク
目黒の新進作家@目黒区美術館(2007/12/4~2008/1/13):石川直樹の出品あり。
「石川直樹『POLAR』」
11/16-12/22
「2001年に七大陸の世界最高峰登頂の世界最年少記録を塗り替えた偉業」(*)も持つという、冒険家でありまた写真家でもある石川直樹の個展です。タイトルのPOLAR、つまりは北極の名が示す通り、自身の足で踏みしめたかの大地を鮮やかな写真で切り取ります。
入ってすぐの展示スペースには、雪原などを鳥瞰的に捉えた写真が展示されていますが、奥の部屋へ進むと、氷と雪、そしてそこに降り注ぐ純白の光に包まれた北極圏の姿が多様に写し出されていました。氷壁をフレームいっぱいにおさめた「Iceberg」(2007)は、さながら塩の結晶などを顕微鏡で拡大して接写したかのような質感を示し、また白んだ空の元で吹雪にのまれる山はまるで水墨画のような幽玄な雰囲気を醸し出しています。そして石川の「冒険」を感じさせる作品としては、犬ぞりの犬たちと暮らす人びとの姿を写した6点の連作でしょう。全体的に彼の写真は静的で、大自然の険しさよりも、そこにあるそのままの美しさを素直に引き出したものが目立ちますが、これだけは自然と格闘する犬や人間たちの確かな営みが記録されています。またさらに雪原の墓地を写した「Grave yard/llulissat 」(2006)も、同じくこの不毛の雪原に見る死と反対の生が強くにじみ出ているようにも感じられました。
有り体に言うと、作品から「作家自身が自らの足でたどりつき、肌で感じ獲得した、痛いまでに凝縮された感覚」(*)を知ることは出来ませんでしたが、北極の地がまるでどこかの近い雪国のように見えてくること自体が、石川の人生と冒険との濃密な関係を伺わせる証しなのかもしれません。
「POLAR/石川直樹」
12月22日までの開催です。(11/17)
(*)画廊HPより引用。
*関連リンク
目黒の新進作家@目黒区美術館(2007/12/4~2008/1/13):石川直樹の出品あり。
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