都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「マラブ・太陽 野口里佳」 ギャラリー小柳
ギャラリー小柳(中央区銀座1-7-5 小柳ビル8階)
「マラブ・太陽 野口里佳」
10/27-11/30
ピンホールカメラを用いて微睡みの風景を捉える野口里佳の個展です。太陽の色を抽出した「太陽」一点と、コウノトリの一種であるマラブという鳥を写す「マラブ」シリーズなどが展示されています。
一連の「マラブ」は、インスタレーションとして見ても美感に秀でています。暗がりの展示室をぐるっと一周、取り囲むようにして写し出されたマラブは、あたかも作り物ように殆ど動かず、ただ茂みの中でぼんやりと立っていました。草の緑や花の黄色、そして木漏れ日がブレンドされて澱んだ光景に、ただ一羽のマラブだけがピンホールカメラに追われているのです。そもそもマラブとは飛ぶこともなく、あまり動きのない鳥だとのことですが、野口のカメラを通すと、あたかもそれをビデオに映し出してじっと観察しているかのような感覚も味わうことが出来ます。そう言う意味では映像的です。
テーブルのように置かれた「白い紙」も印象に残りました。どこかのスキー場を映し出した写真なのでしょうか。横1.4メートル、縦1メートルはあろうかという画面に、雪より溢れ出さんとするばかりの白が捉えられています。そう言えば「太陽」もその輝かしいオレンジ色が飛び出すばかりに滲み出していました。一つの風景が溶け合ってある特定の色に還元されていく、または、さながら失われた記憶を辿りながら何とか脳裏に映像を絞り出すような気分も感じられる作品です。
今月末まで開催されています。(11/9)
「マラブ・太陽 野口里佳」
10/27-11/30
ピンホールカメラを用いて微睡みの風景を捉える野口里佳の個展です。太陽の色を抽出した「太陽」一点と、コウノトリの一種であるマラブという鳥を写す「マラブ」シリーズなどが展示されています。
一連の「マラブ」は、インスタレーションとして見ても美感に秀でています。暗がりの展示室をぐるっと一周、取り囲むようにして写し出されたマラブは、あたかも作り物ように殆ど動かず、ただ茂みの中でぼんやりと立っていました。草の緑や花の黄色、そして木漏れ日がブレンドされて澱んだ光景に、ただ一羽のマラブだけがピンホールカメラに追われているのです。そもそもマラブとは飛ぶこともなく、あまり動きのない鳥だとのことですが、野口のカメラを通すと、あたかもそれをビデオに映し出してじっと観察しているかのような感覚も味わうことが出来ます。そう言う意味では映像的です。
テーブルのように置かれた「白い紙」も印象に残りました。どこかのスキー場を映し出した写真なのでしょうか。横1.4メートル、縦1メートルはあろうかという画面に、雪より溢れ出さんとするばかりの白が捉えられています。そう言えば「太陽」もその輝かしいオレンジ色が飛び出すばかりに滲み出していました。一つの風景が溶け合ってある特定の色に還元されていく、または、さながら失われた記憶を辿りながら何とか脳裏に映像を絞り出すような気分も感じられる作品です。
今月末まで開催されています。(11/9)
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