都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「TWS-EMERGING - 平林幸壽/小松正朋/目黒礼子 - 」 トーキョーワンダーサイト本郷
トーキョーワンダーサイト本郷(文京区本郷2-4-16)
「TWS-EMERGING 86/87/88 - 平林幸壽/小松正朋/目黒礼子 - 」
11/24-12/16

定点観測とまではいきませんが、折りに触れて拝見しているワンダーウォール関連の連続グループ展です。今回は上記三名の若手アーティストが登場していました。

2階の一室を用いて、「浄土」のインスタレーションを展開している平林幸壽が一番印象に残ります。彼自身が仏に仕える身、つまり僧侶でもあるそうですが、「spiritual pop」というコンセプトの元に手がけられたのは、popカルチャーとそのイメージにリンクする真言密教の世界でした。スペース中央には銀閣の向月台を模した石彫風のオブジェが置かれ、その上にはミニュチュアのような白象が何体も群れています。これが仏教世界の中心にそびえる「須弥山景 - 五智の白象- 」(2007)というわけのようです。
popカルチャーとの関連としては、象型の平面的なミクストメディア「Do you remember the holywhite elephant?」のドローイングに見ることが出来るのかもしれません。紫や茶色をする象の中に、アクリルなどの光沢のある絵具を用いて細やかに描かれているのは、それこそイルミネーションに瞬く華々しいテーマパークのような世界でした。そしてそれが、不思議と極楽浄土のイメージとも合わさってきます。一種、欲望の渦にのまれてもいるテーマパークと浄土が同じ地平線上に見えてくるのが興味深く感じられました。

平林の他には、血のような赤を基調として、不気味な眼球や動物の標本などを視力検査のイメージにまとめる目黒礼子も心にとまりました。飛び出した眼がゴロゴロ転がっているような、かなりおどろおどろしい絵画です。
12月16日まで開催されています。(11/25)
「TWS-EMERGING 86/87/88 - 平林幸壽/小松正朋/目黒礼子 - 」
11/24-12/16

定点観測とまではいきませんが、折りに触れて拝見しているワンダーウォール関連の連続グループ展です。今回は上記三名の若手アーティストが登場していました。


2階の一室を用いて、「浄土」のインスタレーションを展開している平林幸壽が一番印象に残ります。彼自身が仏に仕える身、つまり僧侶でもあるそうですが、「spiritual pop」というコンセプトの元に手がけられたのは、popカルチャーとそのイメージにリンクする真言密教の世界でした。スペース中央には銀閣の向月台を模した石彫風のオブジェが置かれ、その上にはミニュチュアのような白象が何体も群れています。これが仏教世界の中心にそびえる「須弥山景 - 五智の白象- 」(2007)というわけのようです。
popカルチャーとの関連としては、象型の平面的なミクストメディア「Do you remember the holywhite elephant?」のドローイングに見ることが出来るのかもしれません。紫や茶色をする象の中に、アクリルなどの光沢のある絵具を用いて細やかに描かれているのは、それこそイルミネーションに瞬く華々しいテーマパークのような世界でした。そしてそれが、不思議と極楽浄土のイメージとも合わさってきます。一種、欲望の渦にのまれてもいるテーマパークと浄土が同じ地平線上に見えてくるのが興味深く感じられました。

平林の他には、血のような赤を基調として、不気味な眼球や動物の標本などを視力検査のイメージにまとめる目黒礼子も心にとまりました。飛び出した眼がゴロゴロ転がっているような、かなりおどろおどろしい絵画です。
12月16日まで開催されています。(11/25)
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