車先生。
車先生は、いつも庭先で薪を割っていた。
言うまでもなく、名作「柔道一直線」の車周作だ。若かりしころの高松英郎さんが演じておられた。
ニッポンの頑固オヤヂ的な風貌が印象的ないい役者さんだったが、惜しくも先年亡くなられている。
ともかく、薪を割った。
じいちゃんの鉞で。
冬に伐った、主にニセアカシアを、雪解け後に運び出した。
庭にコンクリを打った池があるので、まずはそこを丸太置き場にした。
この池の縁に大きな丸太を台に置いて、池の中に立って薪割りすれば、腰を屈めずに作業できる。邪魔臭いと思っていた池だが、案外使い道があるもんだ。
塀際にも積んだ。
この写真で、軽トラ3杯分、約1トンくらいかな。
右がニセアカシア、左がミズナラを割った薪。
ミズナラは、25センチくらいの太さでも、気持ちよくパリッと割れてくれる。ニセアカシアのほうは、一撃で割れるのはせいぜい20センチくらいまでで、それも長さが30センチくらいまでだ。
樹種によってずいぶん違うもんだな。
じいちゃんの鉞には、背に叩いてできたまくれがあって、それが食い込みのブレーキになっていた。
まくれを削り取ったら、なんぼかましな感じになったが、どっちにしても30センチ以上のニセアカシアにはこの鉞では軽すぎて、一撃で割るのはきびしい。食った鉞をいちいち抜きながら、何度か同じとこを狙って打ち込んで、やっと割れる感じなのだ。試しにかーちゃんにやらせてみたら、文字通りまったく刃が立たなかった。
ここはやはり、車先生が使っていたような、長柄の薪割りでないと疲れて仕方ない。頭もこの鉞は1キロ弱だが、1キロ半くらいは欲しいかな。
とりあえず、この鉞に長柄を挿げるという手もある。どうすっかな。
薪のデポ。
ここは軒下で、雨がかからない。
皮付きの丸太は乾きにくいから、割って芯を出して、積んで乾かすのだ。
たまたまこんなラティス風の枠があったから薪置き場に使ってみたんだが、薪の量としてはほんのちょべっとしか入らない。
もっと大きい薪置き場を作んなきゃないな。
この日は天気がよくて、作業してたら暑いほどだったので、タンクトップで半日薪割りしてたら、すっかり日焼けしてえらい目にあった。
この時期の紫外線はハンパでない。ヒリヒリ。