三木鶏郎(とりろう)は、昭和20年代のNHKラジオ番組『日曜娯楽版』の「冗談音楽」コーナーで人気となった作詞/作曲/放送作家で、戦後の放送音楽・商業音楽を切りひらいた才能がキラキラした人でした。
私は多分小学生だったと思いますが、いまだに「とうきょおーさか、ウーウ、ウーウ、ウーウ、ココ」という「冗談音楽」のフレーズを覚えています。数十年、時代を飛び越えた新しさを持つマルチタレントでした。
この番組からは、今でも出だしが口ずさめる「僕は特急の機関士で」「田舎のバス」「毒消しゃいらんかね」などのヒット国が生まれました。
1951年日本初のコマーシャルソングを創り、さらに中年以上の人は知っているんじゃないでしょうか、「ワ・ワ・ワ・輪が三つ」「明るいナショナル」「クシャミ三回ルル三錠」「キリンレモン」をつくりました。
60年代にはTVの『鉄人28号』『トムとジェリー』『ジャングル大帝』のテーマソングも担当。
トリローグループには、作家に、キノトール、永六輔、五木寛之、野坂昭如がいて、作曲家に、神津善行、いずみたくがいて、ジャズ・バンドの三木鶏郎楽団には、ジョージ川口、小野満、鈴木章治がいたのですから驚きです。
ちなみに、「文化放送、文化放送、ジェイ、オー、キュー、アール」「伊東へゆくなら、はとや、でんわわ、よいふろ、4126、はとやにきめた」「ハウス・バーモントカレー」の作詞は野坂昭如で、「日本盛は良いお酒」「日石灯油でポッカポカ」は五木寛之の作詞です。
また、音楽評論、テレビ番組の司会などの三木鮎郎は弟です。