ハーバード大学の女性終身教授のリサ・ランドールの「ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く 」(原題 Warped Passages )日本放送出版協会 を読んでみた。
この本は半分くらいまで、現代物理学のはじめから最新理論まで、数式を一切使わず解説している。数式を使わないと、分かったようになるだけで、かえって分からないのが通例だが、極めてわかりやすく英米の大学でテキストとして使われているというのも納得だ。
目次は、1部 空間の次元と思考の広がり、2部 20世紀初頭の進展、3部 素粒子物理学、4部 ひも理論とブレーン、5部 余剰次元宇宙の提案、6部 結びの考察
私は特殊相対論については理解していたが、一般相対論、標準理論、大統一理論ぐらいまでは概要が理解できた。とくに2部と3部は楽しく読めた。
しかし、653ページと極めて大部で、4部の途中のカルツァ-クライン(KK)モデルに基づく超対称性を加味した超ひも理論のあたりから疲労感でついていけなくなり、5部の肝心のリサ・ランドールらによって提唱されている超ひも理論の超対称性理論、5次元宇宙理論に入る前に挫折してしまった。
言い訳すると、ひも理論はむずかしいと言うより複雑で、一つ一つの言葉、仕組みを覚えてから前に進まないと話しが見えなくなる。負け惜しみだが、超ひも理論はとくに複雑でまだまだである。本質は単純でなければならない。理解するのは、もう少し理論が進み、純化し本質に迫ってからにしたい。