hiyamizu's blog

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大橋巨泉「やめたら」を読む

2009年03月17日 | 読書2
大橋巨泉著「やめたら」2009年2月角川書店発行、角川oneテーマ21のA-93を読んだ。

ニッポンの世の中はいらないものばかり。世界の中で取り残されないために日本の「いらないもの」を考えよう。政治、経済、スポーツ、日常生活まで真剣に提言した日本再生論。



自動車レースに始まり、以下のいらないものを巨泉が切る。

生活のやめたら
煙草/ハイ・チーズ/英語教育/和製英語/レジ袋/偽善エコロジー/ミネラル・ウォーター/ミシュランの星/地デジ/代理出産/サーチャージ/サバイバル・ナイフ/ブログ/産地直送/

政治のやめたら
世襲政治家/失言/アメリカ追従/北朝鮮外交/資本主義/西欧型民主主義

スポーツのやめたら
スポーツ新聞/五輪野球/WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)/クライマックス・シリーズ/三連単/ビールつきゴルフ/他の日本式ゴルフ/

テレビのやめたら
スポーツ中継/解説者/バラエティー



以上に挙げられた項目の大部分はやめることが大変であっても、多くの人から賛成が得られるものだろう。しかし、いくつかは、巨泉さんの群がるのは嫌いな性分からの意見で議論あるものがあるだろう。年のほぼ半分を外国で暮らす巨泉さんの意見に外国かぶれと反発する人もいるだろう。さらに、政治については、巨泉さんの立場は、ネットイナゴから悪の権化と嫌われる戦後民主主義なので、今や時流でなく、自虐的に言えば年寄りの意見だ。
しかし、自分流を貫き、時代を先取りしてきた実績のある巨泉さんの意見は、傾聴に値する。



大橋巨泉は、1934年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。アテネ・フランセに学び、英語科卒業後、ジャズ評論家、放送作家に。1965年「11PM」で司会者として活躍。1990年セミ・リタイア宣言し、1年をオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、日本と太陽を求め移動し、ゴルフ三昧の優雅な生活を送る。2001年民主党から参院選に出馬。トップ当選を果たすが、後に辞職。タレント。



私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)

自分の好きなことをして、それが皆素人としては一流で、セミ・リタイヤー後は、オーストラリア、カナダなどでロングステイする巨泉さんを私は見事だと思ってきた。この本での巨泉さんの考え方も、私から見れば、多少の癖があっても大半は大賛成だ。
ただし、立ち位置が明解なだけに、反対意見の人も多いだろうし、年齢が大幅に異なり、時代を共有していない人も理解できないことが多いかもしれない。

評価を「お好みで」としたが、本当は、一時代を作った人の意見として、巨泉さんの強いあくに反発する人も、戦後民主主義に嫌悪を抱く人にも、ともかく読んでもらいたい本だ。



コメント
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