浜田文人著『怒濤 鹿取警部補』(ハルキ文庫は3-29、2018年10月18日㈱角川春樹事務所発行)を読んだ。
裏表紙にはこうある。
所轄から警視庁捜査一課に異動となった女性刑事・吉田裕美は、中野区で発生した殺人事件の現場に向かった。そこで同じく捜査一課に所属する鹿取信介と組むよう指示を受けたが、鹿取は別件で起きた窃盗事件の捜査で問題を起こし、捜査本部への出入りを禁止されていた。同時期に発生した殺人と窃盗事件。この二つの事案が複雑に絡まり、公安部をも巻き込む大きな事件へと発展していく──。話題沸騰の人気シリーズ第二弾! !
佐川が木島幸子のバッグを奪い、鹿取が逮捕するが、乱暴な取調べで佐川は釈放されてしまう。5日後、木島が殺され、金庫に2億円が発見される。鹿取は捜査本部出入り禁止になりながら、相棒の新人・吉田裕美、元の職場の公安の浅井、さらに元やくざの松本の協力を得て、宝石泥棒、中国のスパイに迫る。
登場人物
山賀:警視庁刑事部捜査一課強行犯三係。係長 鹿取と吉田の上司
鹿取:同。56歳。食事処『円』(女将は郁子)の2階に居候し、松本のカラオケボックスを事務所とする。
吉田裕美(ひろみ):同。異動したばかり。父はやくざにより殉職。
廣川:同。警部補。
松本:民間人だが、鹿取の相棒。カラオケボックスとステーキハウス(M&M社)経営。元三好組若頭補佐。
米村:中野署刑事課捜査一係。鹿取と対立。
浅井:警視庁公安部公安総務課。44歳独身。
木島幸子:57歳。路上で窃盗の被害に遭い、5日後自宅で殺される。
佐川健一:木島からバッグを窃盗。「ケン」。 李正孝:韓国料理店「東栄門」の店長
黄志忠:「黄龍楼」の専務、公安の情報屋。 安建明:中国大使館の一等書記官
武陽漢:元外国語学校中国語講師。 馬輝東:首にタトゥー。鹿取を襲う。
浜田文人(はまだ・ふみひと)
1949年生まれ。高知県出身。関西大学法学部卒業。フリーの記者として新聞、週刊誌等に寄稿。
96年筆名、浜田文太の原作劇画「浪花梁山泊」が大ヒット。以降、小説に転じ、「公安捜査」を発表。
同シリーズのほか、『捜査一課』、『捌き屋』、『若頭補佐 白岩光義』、『CIRO』、『麻布署生活安全課 小栗烈』シリーズ、『禁忌』、『烏合』など。
私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)
久しぶりのハードボイルドだど! 血と暴力はそれほどでもないが、現役の刑事なのに、食事処の2階に居候し、元やくざを舎弟とし、そのカラオケボックスで拷問し、白状させる。「いいね!」
鹿取だけが、目立ちすぎ。新人女性刑事も活躍や大失敗すれば、もっとメリハリがついたと思うが。