hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

貫井徳郎『天使の屍』を読む

2021年06月19日 | 読書2

 

貫井徳郎著『天使の屍』(集英社文庫ぬ1-4、2009年2月25日講談社発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

平穏な家族を突然の悲劇が襲った。中学二年生の息子が飛び降り自殺をしたのだ。そして遺体からはある薬物が検出された――。なぜ彼は十四歳で死ななければならなかったのか。原因はいじめか? それとも? 遺された父親はその死の真相を求めて、息子の級友たちを訪ねてまわる。だが世代の壁に阻まれ、思うにまかせない。そして第二の悲劇が……。少年たちの心の闇を描く、傑作長編ミステリ。

 

青木:イラストレーター。妻は美保子。血のつながらない息子は中学二年の優馬。

光岡:優馬の担任教師。20代前半の女性。3年目。

水原佑:優馬の親しい友人。現実的で冷静。「青木(優馬)の気持ちも考えてあげてください。青木のことを思うなら、いたずらにつつき回したりしないでください」と語る。

永井:優馬の友人。世界を飛び回る母と二人暮らし。表面的にはいい子。

園田:優馬の友人。オドオドしている。

常盤暁子:優馬の同級生。美人でボーカリスト志望。

米倉文哉:鈴木(偽名)。青木を脅迫。郁美は友達。

平井:刑事。生活安全課

 

この作品は1996年11月に角川書店より単行本として、2000年5月に角川文庫として刊行。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

そもそも息子の優馬の自殺の原因がわからず、他殺の可能性もあるうちに、友人たちが一人、また一人とビルから飛び降りてしまう。警察からはLSD服用していたと言われ、いかがわしい写真で脅される。すべてが判然としないうちに、事件は広がっていく。このあたりの読者を引きずり込む著者の筆力は確かだ。

 

なさぬ仲ゆえに、むしろ強く息子の悩みに気づけなかった自分を責め、犯人捜し、死の原因探しに突っ込んでゆく父親の気持ちは理解できるのだが、警察に頼らずにここまで一人でやるか?

 

犯人(?)の動機がいまひとつ腑に落ちない。

 

 

貫井徳郎(ぬくい・とくろう )の略歴と既読本リスト

 

 

お勉強

屯(たむろ)する

窶(やつれ)た

直截(ちょくせつ)「ちょくさい」は慣用読み

韜晦(とうかい):自分の才能、身分などを包み隠すこと

 

 

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