hiyamizu's blog

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伊与原新『オオルリ流星群』を読む

2023年04月06日 | 読書2

伊与原新著『オオルリ流星群』(2022年2月18日KADOKAWA発行)を読んだ。

 

カドブンの内容紹介

「あのときのメンツ、今みんなこっちにいるみたいだぜ」「まさか、スイ子か? なんでまた?」スイ子こと、山際彗子が秦野市に帰ってきた。手作りで太陽系の果てを観測する天文台を建てるというのだ。28年ぶりの再会を果たした高校時代の同級生・種村久志は、かつての仲間たちと共に、彗子の計画に力を貸すことに。高校最後の夏、協力して巨大なタペストリーを制作した日々に思いを馳せるが、天文台作りをきっかけに、あの夏に起きたことの真実が明らかになっていく。それは決して、美しいだけの時間ではなかった。そして久志たちは、屈託多き「いま」を自らの手で変えることができるのか。行き詰まった人生の中で隠された幸せに気付かせてくれる、静かな感動の物語。

 

45歳の高校の同級生。高3の文化祭で1万個の空き缶で作ったオオルリのタペストリーを作った。

山際彗子(けいこ):通称スイ子。有名大学を出て国立天文台の研究員になったが、職を失い、地元に戻った。

種村久志:経営が苦しい種村薬局を継ぐ。妻・和美、長男・悠人、次男・篤人。

勢田修:東京の番組制作会社を辞め、法科大学院を今年3月に卒業し、司法試験の勉強中。

伊藤千佳:公立中学の理科の教師。夫・典明も教師で高校生の長女と中学生の長男がいる。

梅野和也:川崎の産業機械メーカーに就職したが、実家に3年引きこもり。ミニFMのマニア。

槙恵介:空き缶タペストリーのリーダーだったが、途中で抜けて、1年後、19歳の夏に死亡。

 

エッジワース・カイパーベルト:準惑星にもなれない小さな無数の天体が帯状に存在する太陽系外縁部の領域。

 

本書は書下ろし。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

伊与原さんの作品の中では冴えたところが少ない。

あとがきで伊与原さんが書いているが、市販のアマチュア向け望遠鏡でエッジワース・カイパーベルトに微惑星の生き残りを史上初めて発見したという挑戦に感銘を受けて書いたそうだが、ただ一点だけでなく他にもいくつかちょっと驚く事実を足しこんで欲しかった。

 

孤高の、感情を表さない慧子にはちょっと興味が湧くが、他の人は平凡でキャラがまったく立っていない。

 

 

伊与原新(いよはら・しん)の略歴と既読本リスト

 

 

 

「…俺たちの代わりなんか、いくらでもいるんだ。だから、心がつぶれると思ったら、仕事なんて放り出しちまえばいいんだよ」(p160)

「十二歳のときからずっと付き合ってる友だちは、俺にはお前しかいない。お前の両親にとっても、息子はお前しかいないんだ。替えはきかねんだよ。…」(p161)

 

コメント
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