中山七里著『おわかれはモーツァルト』(2022年1月1日宝島社発行)を読んだ。
表紙裏にはこうある。
2016年11月。盲目ながら2010年のショパンコンクールで2位を受賞したピアニスト・榊場隆平は、クラシック界の話題を独占し人気を集めていた。そんなある日、「榊場の盲目は芝居ではないか」と絡むフリーライター・寺下が何者かに銃殺される。事件は深夜、明かりの消えた室内で起きた。そんな状況下で殺人ができるのは、生来暗闇の中で暮らしてきた榊場だけだと警察は疑わない。窮地に追いやられた榊場だったが、彼のもとに、榊場と同様ショパンコンクールのファイナリストに名を連ねたあの男が駆けつける――!
『さよならドビュッシー』シリーズ最新刊。
榊場(さかきば)隆平:全盲。24歳。ショパンコンクール2位。母は由布花(ゆうか)。
TOM山崎:隆平の所属事務所のマネージャー。元スタジオミュージシャン。
潮田陽彦:隆平のピアノ指導者。
寺下博之:フリーの記者。評判が悪い。コンサート中に罵声をあげた。
長沼:捜査一課桐島班、犬養:捜査一課麻生班、関澤:玉川署、熊丸:赤坂署生活安全課
吉川佳穂:所属事務所の弁護士
岬洋介:ショパンコンクールのファイナリスト。かってポーランドで容疑者にされかけていた隆平を救ったらしい。
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)
話は単純なのでスイスイ軽く読め、楽しい。ただし、ピアノ演奏の記述が延々続く場面がある。知識が無い私には文字で書かれても退屈。最後の大団円の場面では、唐突すぎるのが残念。
主人公の隆平が容疑者になっているのにほとんど行動せず、考えもしない。そして、最後の方で突然登場した岬があっという間に解決してしまうので、拍子抜けで、面白味がない。隆平が指紋の件を山崎や潮田に黙っているのが何故か不明。