一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

長崎旅行2022・5

2023-04-15 23:00:48 | 旅行記・九州編
今年の博多どんたくにはお邪魔できなかったので、この地の訪問は1年振りとなる。ちなみに博多どんたくは、2023年もお邪魔できないと思う。
いまはいちばん陽が短く、もう空は暗い。私は福岡市役所西側のふれあい広場に行く。おなじみ、「クリスマスマーケット」である。
今年は正真正銘のクリスマスイブ、しかもホワイトクリスマスのおまけつきなので、ひときわ人が多い。何しろ、入場するのに列を作っている。



いつもは中に入って冷やかすのだが、これでは入口付近で佇むだけである。じゃあ何のために福岡まで来たのか、そのまま長崎で観光を続ければよかったじゃないかともいえるが、これが〆のルーティーンなのだからしょうがない。
その先を突っ切ったコンコースのようなところには、巨大クリスマスツリーが輝いている。
近くのステージでは、女性アーティストが歌唱中だ。



それを横目に、私は食事処を探す。といってもまた牛丼店で、今度はすき家に入る。どうも私は、食生活に貧しくていけない。
これでは物足りなかったので、昨年も入ったウエストに入る。注文するのはもちろん「ごぼう天うどん」である。
ごぼうはシャキシャキといい食感で、うどんはツルツルしていて美味かった。福岡の人はこんなうどんが毎日食べられてうらやましい。
そのまま博多駅前まで歩く。昨年はバスを使った気もするが、正調は徒歩である。
博多駅前も人が多かった。撮影スポットには列ができ、その模様が駅ビルの電光スクリーンに映し出されている。
飲食販売エリア盛況だが、男ひとり入れないわけではない。しかし私は飲まないし、もし飲めてもひとりでは、虚しいだけだ。









時刻は19時40分である。帰りの飛行機はスカイマーク026便21時15分発である。どこかで時間をつぶしてもいいのだが、カネの無駄になるだけだと思った。
いまから福岡空港に向かえば、土産物店がまだ空いているだろう。ANAで買えば、カード会員の私は、数%安くなる。そうしたほうが賢明だと、私は空港に向かうことにした。
2023年の12月もこの地に来られればうれしいが、この虚しい気持ちが晴れることはないだろう。せめて現状維持でありたいものである。
(おわり)
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長崎旅行2022・4

2023-04-14 21:03:41 | 旅行記・九州編
(12日のつづき)
「福岡までの高速道路が、雪で一部通れないのです」
女性係員が散文的に言う。
まさか福岡の雪に影響されるとは思わなかった。不通は何時間かあとに解消されるだろうが、それまで待っているわけにはいかない。よって、時間とカネはかかるが、JRを利用することにした。まあこちらのほうが、基山でスムーズに乗り換えできる利点はある。
とりあえず基山までの切符を買う。駅内に入ると、新幹線乗り場に「かもめ」が入線していた。私には縁のない乗り物で、遠くから眺めるだけである。



11時02分、区間快速のシーサイドライナーに乗った。きのう乗った道を引き返すのは味がわるいが、きょうは昼だからよい。
私は諫早で途中下車する。基山までは営業キロが100キロを越えているから、それが可能なのだ。
諫早駅は数年前から再開発に入っていたが、今回新幹線の途中駅となり、立派に稼働していた。島原鉄道ももちろん営業していたが、きょう乗るわけにはいかない。
駅前の歩道橋を歩くと、大きなスーパーマーケットがあったところは、巨大駐車場になっていた。また私の思い出の地が消えたが、これは仕方ない。
さらに少し行ったところの諫早バスターミナルは、ひっそりとしていた。私はそれを横目に、例の町中華に向かう。きのうは行けないと思っていたところだ。



町中華「なるほど」は営業していた。ここ数年、私の贔屓の店がことごとく廃業しているのでここもどうかと思ったが、まずはほっとする。
お昼時でもあり、中はそこそこ客がいた。隅のカウンターに座り、ちゃんぽんをオーダーする。750円で何年か前より50円値上げしたが、しょうがない。
目の前には無料のみかんが置いてある。まあ、今回はいただかなくていいだろう。
人が少なくなり、テーブルを案内された。出てきたちゃんぽんは美味かった。ただ、餃子の王将のそれも美味かった。むしろそちらのほうがより口に合う気がするが、それほどチェーン店も、味の研究をしているということだ。
大いに満足しなるほどを出て駅近くに戻ると、先のバスターミナルは結局のところ、引越しをして営業を終えていた。
新駅舎のすぐそばに、新バスターミナルが移動していた。付属の建物にはいくつもテナントが入り、ここだけは諫早の発展を思わせる。
階段脇にはピアノが置いてあり誰でも弾けるようだが、いまは誰もいない。
引きつづき長崎本線に乗る。この気動車のデザインはお絵描き風で、面白い。JR九州はJR6社の中で、最も車両デザインに力を入れていると思う。





車内はけっこう乗客がいたが、湯江で余裕ができ、座ることができた。
思ったのだが、基山までではなく、博多まで買っちゃうべきだったか。どこかで西鉄に乗れたらそのほうが安いと思ったのだが、それがどこから出ているか分からない。感覚的なものではなく、もっとしっかり調べるべきだった。
13時52分、肥前浜で乗り換え。次の鳥栖行きは14分遅れてきたが、このくらいの遅れはなんでもない。それよりも、久し振りの鉄分補給で、私は満足である。
鳥栖に着いたのは15時17分。定刻を3分遅れまで縮めてきた。
ここから鹿児島本線に入るが、反対側のホームに福間行きの列車が入線している。スマホの調べでは15時33分のはずだが、これは何か。
反対側に行く列車だとアレなので見送ったが、列車はもちろん、博多方面に行った。
しまった……。福間は博多の先じゃないか。調べるとこれは15時15分発で、遅れた我が列車を待っていてくれたのだ。まったく、のんびり列車旅なぞ楽しんでいるから、急な選択を迫られたときに正解を逸する。
気を取り直し、15時33分から2分遅れの区間快速に乗る。基山には1分遅れの15時42分に着いた。
さて、ここから待望の基山鉄道である。かつての4番線に発着しており、パッと見はJRと変わらない。
4番ホームに降りると、古風すぎる便所があった。JRだったら撤去されていたかもしれないが、基山鉄道用に残ったのかもしれない。



基山発15時59分の列車に乗る。そこそこの乗客があった。私は車内に掲げられている路線図を見る。すると、基山から2つ目の小郡が、西鉄の乗り換え駅になっていた。小郡、は新山口の旧駅名だが、ここに同名の駅があったのだ。
それはともかく、ここから西鉄に乗れるのは便利だ。きょう1日の行程が決まり、とりあえずホッと一息である。
基山からタイム29分で、終点甘木に着いた。以前はここから秋月城行きのバスに乗ったのだが、今回はその余裕がない。
事務所に行き、鉄印を所望する。と、紙片が300円で売られていた。ご朱印はそこの関係者が直に書いてくれるが、鉄印は書に自信がある職員が少ないのか、このパターンが多いようだ。
それにしても、この鉄印はよい企画だと思う。記念スタンプはJRなど各所にあるが、この鉄印は、無料どころかおカネを取るところが斬新だ。これをスタンプ帳だけが有料だったら、ここまでヒットしなかった気がする。





16時48分の上りに乗る。鳥栖でのチョンボがなければ16時31分のに乗れたが、しょうがない。
小郡着17時06分。ここから西鉄への取り換えはすぐである。この雰囲気が、高田馬場の西武線入口に似ていた。いずれにしても、福岡県のそれとは思えなかった。



小郡からは17時15分の急行に乗れた。西鉄福岡17時57分着。ここからの観光ルートは決まっている。
(つづく)
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第3期白玲戦・女流順位戦A級・B級6回戦の結果

2023-04-13 23:25:01 | 女流棋戦
この10日に、第3期白玲戦・女流順位戦のA級・B級6回戦が行なわれた。では、その結果と雑感を記そう。

◆A級6回戦◆
(優勝は白玲挑戦、降級2名)
【5勝1敗】
1西山朋佳女王・女流名人・女流王将(○甲斐→中井)
【4勝1敗】
②伊藤沙恵女流三段(加藤圭→中村)
【4勝2敗】
③加藤桃子女流三段(●山根→甲斐)
⑦山根ことみ女流二段(○加藤桃→加藤圭)
【3勝3敗】
⑧渡部愛女流三段※(○中村→上田)
【2勝3敗】
⑤加藤圭女流二段(伊藤→山根)
【2勝4敗】
⑥甲斐智美女流五段(●西山→加藤桃)
⑨中村真梨花女流三段(●渡部→伊藤)
⑩上田初美女流四段(●中井→渡部)
【1勝5敗】
④中井広恵女流六段*(○上田→西山)

西山女流三冠が甲斐女流五段に勝利。対局のなかった伊藤女流三段と、2敗になった加藤女流三段から抜け出し、単独トップになった。西山女流三冠の残りは中井女流六段、伊藤女流三段、渡部女流三段。
その加藤女流三段に勝ったのは、山根女流二段。2番手グループに割り込んだ。
残留争いのほうは、中井女流六段が上田女流四段に勝って一息ついた。
こうなってみると、順位下位の中村女流三段と上田女流四段も寒い。
7回戦は、B級ともども5月8日。

◆B級6回戦◆
(昇級2名、降級3名)
【6勝】
③塚田恵梨花女流初段(○野原→北村)
【4勝2敗】
②鈴木環那女流三段(○香川→室田)
⑥香川愛生女流四段(●鈴木→千葉)
【3勝3敗】
1石本さくら女流二段(●北村→野原)
④北村桂香女流初段(○石本→塚田)
⑤千葉涼子女流四段(●山田→香川)
⑧室田伊緒女流二段(○岩根→鈴木)
⑩野原未蘭女流初段(●塚田→石本)
【1勝5敗】
⑨山田久美女流四段(○千葉→岩根)
【6敗】
⑦岩根忍女流三段(●室田→山田)

塚田女流初段が野原女流初段に勝って、6戦全勝。昇級はカチンコチンに固い。
鈴木女流三段は、競争相手の香川女流四段に勝ち、順位の差で2番手に躍り出た。
残留争いのほうは、岩根女流三段が負けて6敗。いよいよ危ない。
6局を終わって3勝3敗者が6名もいるのは、実力が伯仲の証拠だ。
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長崎旅行2022・3

2023-04-12 23:30:07 | 旅行記・九州編
長崎を起点とした西九州新幹線が開業したのは、この日から3ヶ月前の2022年9月23日である。開業、というからには、新駅舎くらいは完成していると思った。
実際、九州新幹線(新八代-鹿児島中央)が2004年3月13日に部分開業した際も、鹿児島中央駅は九州新幹線の玄関口として、面目を一新していた。
しかしこの長崎駅は、工事中でまっさら。何もなかった。
だだっ広い空き地を抜け、歩道橋に上がると、ガランとした空間が闇夜の中でぽっかり口を開けていた。
何年か前までは、ここから長崎駅舎が見えたのだ。私が好きな駅舎で、十指に入っていたかもしれない。それがなくなり、私の心にも穴が空いたようだった。
かつて長野行新幹線が開業したとき、味のある長野駅舎が建て替えで壊されたが、新しいものができれば古いものがなくなるのは、世の理であるようだ。
さて、晩飯である。長崎は駅前に吉野家がある。しかし毎度そこでは芸がない。ほかをあたってみたが、これといった食事処がない。しかも雪が舞ってきた。雪の九州は、初めての経験かもしれない。
外は寒いし、迷っているだけバカバカしいので、吉野家に入る。並盛448円はだいぶ高くなったが、それでも牛丼が448円は安いというべきだろう。さらに、昨年の将棋ペンクラブ忘年会の昼食のときに入手したクーポン券を使って、30円安くなった。こういう割引は、料金以上にうれしい。
あとはネットカフェに行くのみだが、市電乗り場の近くに、餃子の王将があった。餃子の王将は、私が30代のころ、ひたすらポイントをためて、無料カードをゲットするまでになった。しかしそのカードを、王将は送ってこなかった。問い合わせると、住所不明で戻ってきたという。そんなバカなことがあるか! それから私は、王将を積極的にs利用しなくなった。
さて、王将はチェーン店だが、各地にご当地メニューがある。ここ長崎はちゃんぽんがあって、それが食べたくなった。いまはわだかまりも薄れているので、入店し注文する。
ちゃんぽんは、量もあって美味かった。チェーン店と侮るなかれ。味の研究はしっかりしているので、料金(638円)以上のお得感がある。
市電に乗り西浜町で降り、「フリースタイル浜町店」に向かう。店は割と早く見つかり、無事に入店できた。これで、最大の懸念が解決した。
暖かい空間で人心地がつき、PCでいかがわしいビデオを見てみる。新任女教師が生徒といっしょに身体検査を受けるやつで、「羞恥」のカテゴライズされていた。こういうバカバカしいシチュエーションが私は好きである。
ブログは「女流棋士の名前でしりとり」という生産性のない記事を書き、日付が変わったところで「マイナビ様へ深くお詫びいたします。」をアップした。ここでさすがに、就寝。

翌24日(土)。世間は土日で連休なのに、私はきょう、帰京せねばらない。もう、こんな生活はイヤだ。
さて、きょうは眼鏡橋近くの匠寛堂に行こうと思う。2年前にもお邪魔したが、そのとき買わなかった、特製献上五三焼佳好帝良「天地悠々」を今度こそ買いたい。
幸い、匠寛堂までは徒歩圏内だ。ネットカフェをチェックアウトしてぶらぶら歩くと、浜町アーケード街に着いた。
ここはさまざまな店舗が入っており、ぶらぶらするだけで楽しい。コメダ珈琲店もあった。旅先で時々見かけるのだが、入ったことはない。今回も入ってみたいのだが、その時間があったら観光に回したいので、パスとする。



眼鏡橋に着いた。眼鏡橋も大したことはないのだが、観光地だから来てしまう。
橋の手前に飛び石のようなものがあるが、観光客はその真ん中まで来てポーズを取る。そしてそれをこちらから、相方が撮るわけだ。私は一人旅なので、それはできない。
匠寛堂があったが、まだ開店していない。時刻は午前9時を過ぎているが、どうも10時開店のようだ。向かいのカステラ屋は開店しているが、そこで買うわけにはいかない。
しかし匠寛堂目当てで来た客が、この店に入る可能性は少なくないと思う。
ほかに行くところもないから、眼鏡橋の写真ばっかり撮っている。こうなったら、これを2023年の年賀状に使おうか。しかしこの眼鏡橋、改めて見ると巨大な眼鏡で、ちょっと不気味なところがある。



10時少し前、匠寛堂が開店した。早速入り、深呼吸をして、「天地悠々」を注文する。桐箱入りで1本4,800円(税込)。このくらいの大きさなら1,800円くらいが相場だから相当な買物だ。でも、いつも心配を掛けている親父へのお土産と考えれば、払える額である。
このあとは、甘木鉄道を訪問しようと思う。甘木鉄道は、おもに福岡県を走る第3セクターで、1986年開業。甘木鉄道は、かつて秋月城を観光した際に訪れた。今回の再訪は、2021年に「鉄印帳」を買ったため、それを埋めるためであった。
とりあえず市電に乗り、長崎駅前に戻る。明るい長崎駅前を見る。かつて駅舎があったところは何もなく、工事車両が入っている。長崎駅周辺はこれから明るい未来が待っているのに、私の心は晴れない。





対面の長崎バスターミナルに入る。
「基山まで大人1枚」
高速基山から基山駅までどれほどの距離があるか分からないが、歩ける距離だろう。
「いま、バスは走ってないんです」
「はあ?」
私は怪訝な声を上げた。
(14日につづく)
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長崎旅行2022・2

2023-04-11 22:49:00 | 旅行記・九州編
私が逡巡していると、私の後方にいた、馬場ももこ似の女性が、千円札を差し出した。
そうか……そうなったか。
マスターはこの千円札と生卵を、袋の中に入れる。そう、いつものアレである。
マスターが生卵を割ると、白身の中から小さく丸められたお札のようなものが出てくる。そこでみなはもう驚いているのだが、拡げられたお札が、さっき馬場ももこさんの出したもので、さらにみなは驚いた。私が振り返ると、馬場ももこさんと目が合った。
ああ、やっぱり私が千円札を出しておけば……。……アレ? これとまったく同じシチュエーションで、私は去年も後悔した気がする。
結局私は、何年経っても成長していないのだ。
さらにマジックは進む。今年は若い女性が多いので、その歓声を聞いているだけで、私も楽しい。この状況は、いままでありそうでなかったことだ。
マスターが「π」の本をカウンターに載せた。これは文字通り、円周率だけがひたすら載っている本で、マスターはこれを読むのが好きだという。
「この円周率の数字が、人生の縮図を表しているようですよねえ」
私も鉄道旅行が好きなので、「時刻表は読み物です」という人の気持ちは分かる。よって、マスターの気持ちも分からなくはないが、それでも「人生の縮図」とは……。
ある女性が当てられた。そして、円周率の本は別の人に渡した。
「4ケタの好きな数字を言ってください」
「ハイ、0327」
「それは、なんでそう思いました?」
「何となく」
「はい。アナタ、○頁の上から○行目、左から○文字目を読んでください」
本を渡された人が答える。
「0、3、2、7…」
オオーッ、と、周りがどよめいた。
これはもうマジックというか、すべての数字を記憶してしまっているのではないか。
長く続いたマジックも、いよいよ最後である。カウンターの上に、20くらいの正方形の枠がついた、長方形の木枠が立てられた。
そして傍らには3つのカードが出された。前の女性が1枚をめくると、そこには「マリオ」と書かれてあった。
「きょうの人数なら全員ができるかな。最後は皆さんといっしょに大掛かりなマジックをしましょう」
私たちにはルービックキューブが配られ、それをガチャガチャやる。頃合いのいいところで私たちはそれを木枠に嵌めた。
全部埋まったところで、マスターがそれをこちら側に見せた。するとそれは、マリオの絵柄になっていたのだった。
ちょっと感動して、今回のマジックは終了となった。時刻は17時ちょうどだった。
私たちは去りがたく、マスターが用意した、ぐにゃぐにゃのスプーンとフォークを購入する。スプーンは例年どおり300円だったが、フォークは材質が変わったため(銅か?)、500円となった。私は両方とも買った。
ただ、いままでは購入者の名前を個別に書いてくれたが、今年はあらかじめマスターの名前が書かれたものが渡された。おカネもいつものオバサンにではなく、マスターに直接払った。
マスターには挨拶できたが、「気」は注入されず、あっさりお別れとなった。私もここ数年はロクな生活をしていないので、これでよかったのだと思う。そして2023年も、私はここに来られるだろうか。
川棚駅に戻ると、17時25分の長崎行きがあと7分で来る。私は佐世保方面に行ったから、今年は長崎方面に行くつもりだった。私はまで1,310円の切符(すなわち長崎まで)を買い、ホームに出た。しかし列車は来ない。私の見間違えで、実際は17時55分だった。私はこの類の間違いをよくやる。視力のせいではないと思う。おっちょこちょいなだけだ。
列車待ちの間、諫早での宿泊も考える。何度か入った諫早の町中華の、ちゃんぽんをまた食べたい。たが、長崎まで買ってしまったので、長崎まで行くしかない。
と、おっさんに挨拶された。あんでるせんで一緒だったようだ。私は言う。
「私は1999年から毎年ここに来ているのですが、一向に成長しません」
「……」
また私はいらぬことを言う。楽しかったですね、とだけ言っておけばいいのに……。
17時55分の長崎行き・快速シーサイドライナーが6分遅れで来た。列車に乗り、スマホで今宵の宿を探す。しかしクリスマスイブイブでは、なかなか空室がない。予算を上げても同様だった。
こうなったら裏ワザを使うしかない。ネットカフェだ。
だが長崎市はメジャーなそれがなく、私が見つけたのは、観光通電停近くにある、「フリースタイル」というネットカフェだった。ここが正常に営業していて、空席があれば、とりあえず今宵の宿は確保となる。
列車は後れを取り戻し、19時29分、定刻に長崎に着いた。
曲がりくねった通路を通り、表へ出る。……ん? なんだこれは!!
予想もしなかった光景に、呆然とした。
(つづく)
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