一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第8期叡王戦第1局

2023-04-20 22:47:04 | 男性棋戦
第8期叡王戦の挑戦手合いが11日から始まった。藤井聡太叡王に挑むのは菅井竜也八段。もはや居飛車党は藤井叡王に勝てない、と私は考えているので、菅井八段の挑戦はタイムリーだった。菅井八段の戦前の抱負も「最強の棋士を相手にこの数年間の悔しさをぶつける。最高の振り飛車と最高の居飛車の戦いにしたい」と頼もしい。両者の対戦成績も藤井叡王5勝、菅井八段3勝と、まあまあいい勝負。これは面白い五番勝負になると思った。
第1局は菅井八段の後手で、三間飛車に振った。後手の三間飛車はどうなのだろう。やや指しにくいと思うが、菅井八段は羽生善治王位から王位奪取を決めた将棋で、△3三金型+三間飛車を採用している。本局も、ふつうの戦いにはならないと思った。
菅井八段は9筋の歩を突き越されたが、早めの△7四歩は戦いの予感だ。
ところがそれからかなり経ってABEMAを見ると、相銀冠になっていた。藤井叡王が銀冠を指すのを初めて見たが、これなら昭和の将棋で、菅井八段も考えやすいだろう。
が、冷静に考えると、菅井八段の銀冠も見たことがない。それにこの展開だと先手の9筋の位の価値が大きくなっている。
たとえばお互い飛車を一段目に打って、持ち駒に金があったとする。それだけで菅井陣は、もう詰めろになっている。端歩の突いていない銀冠は、囲いの中で最も不安定ではなかろうか。
ABEMAのAIは藤井叡王にややポイントを入れたが、それはこの端歩の関係だったと思う。
だから菅井叡王は、この局面に落ち着く前に、ちょっかいを出すべきだったのではないか。そのための△7四歩ではなかったのか?
消費時間は藤井叡王が大きく消費しているが、これが終盤になると拮抗してくるから不思議だ。
シビレを切らした菅井八段は、たまらず9筋から反撃したが、それは藤井叡王も望むところである。的確に応接して、勝勢となった。
藤井叡王は1分将棋になっていたが、1分あれば間違えないだろうな、という安心感があった。どうも、1時間考えても1分考えても、藤井叡王の指し手は変わらない気さえする。
結局、147手まで藤井叡王の勝ち。手数はかかったが、菅井八段に楽しみのある局面はほとんどなかった。どうも、ヨソ行きの将棋を指してしまった感じで、やんちゃぶりが全然なかった。
かくして藤井叡王が防衛濃厚となったが、第2局に菅井八段が勝てば、まだ分からない。
反対に、藤井叡王が第2局も勝てば、「振り飛車もダメだったか」となる。
運命の第2局は23日。
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第3期白玲戦・女流順位戦D級5回戦の結果

2023-04-19 23:17:00 | 女流棋戦
第3期白玲戦・女流順位戦D級5回戦が17日に行われた。では、結果を見てみよう。

◆D級5回戦◆
(昇級4名、降級点7名)
【5勝】
⑦渡辺弥生女流二段(○脇田→榊)
⑫大島綾華女流初段(○島井→中村)
【4勝】
⑩内山あや女流初段(木村→和田)
【4勝1敗】
④村田智穂女流二段(○鎌田→斎田)
㉙鎌田美礼女流2級(●村田→堀)
㉛梅津美琴女流2級(○相川→岩佐)
㉜松下舞琳女流初段(○川又→中倉)
【3勝2敗】
①矢内理絵子女流五段(○佐々木→井道)
③和田はな女流1級(○水町→内山)
⑤中村桃子女流二段(○長谷川→大島)
⑪山口稀良莉女流1級(●石高→長谷川)
⑯中倉宏美女流二段※(○長沢→松下)
⑰堀彩乃女流1級※(○山口仁→鎌田)
㉔▲脇田菜々子女流初段(●渡辺→島井)
㉖佐々木海法女流1級(●矢内→山口仁)
㉗岩佐美帆子女流1級(○飯野→梅津)
【2勝2敗】
㉚木村朱里女流1級(内山→上川)
【3勝4敗】
②川又咲紀女流初段(●松下→○長沢→○上川)
【2勝3敗】
⑥高浜愛子女流1級(○井道→石高)
⑨水町みゆ女流初段(●和田→相川)
⑳山口仁子梨女流2級(●堀→佐々木)
㉒▲北尾まどか女流二段(○榊→飯野)
㉓▲石高澄恵女流二段(○山口稀→高浜)
【2勝4敗】
⑭上川香織女流二段※(○斎田→木村→●川又)
【1勝4敗】
⑧長谷川優貴女流二段(●中村→山口稀)
⑮相川春香女流初段(●梅津→水町)
⑲斎田晴子女流五段(●上川→村田)
㉑飯野愛女流初段(●岩佐→北尾)
㉕井道千尋女流二段(●高浜→矢内)
㉘榊菜吟女流2級(●北尾→渡辺)
【1勝5敗】
⑱長沢千和子女流四段(●中倉→●川又)
【5敗】
⑬島井咲緒里女流二段※(●大島→脇田)

渡辺女流二段と大島女流初段が星を伸ばして5勝。この2名の昇級は固いと思う。
内山女流初段は4勝のままだが1敗はできるので、こちらも昇級は固い。
鎌田女流2級、梅津女流2級、松下女流1級は4勝1敗だが、順位が悪いので、もう1回も負けられない。
引退が決まった北尾女流二段は、榊女流2級に勝って意地を見せた。
島井女流二段は大島女流初段に負けて5敗。このまま降級点が付きそうだ。
D級は昨年より5名増えて32名。昇級するのは大変だが、頑張ってください。
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降板させた意味が分からない・2

2023-04-18 21:46:14 | プライベート
また「悲劇」が起こってしまった。12日のプロ野球・巨人×阪神戦(東京ドーム)で、阪神の村上頌樹投手が7回まで巨人打線を「完全」に抑えていながら、8回表1アウトランナーなしで打者村上のとき、岡田彰布監督は村上に代打を出してしまった。
結局この回阪神は0点。その裏巨人が同点に追いついたが、結局は阪神が勝った。
しかし村上には完全試合の記録どころか、勝利もつかなかった。
私は本当に情けなくなった。
ここで、ちょうど1年前に書いた「降板させた意味が分からない」を再掲する。


10日のプロ野球で、千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が完全試合をやったのにはビックリした。1994年の槇原寛己(巨人)以来、通算16人目の快挙だった。
この日は6回終了時点でオリックスバファローズから13者連続三振を取っており、この調子なら完全試合も夢ではない、と思ったら本当に達成してしまったというわけだ。
そして17日である。10日以来の登板となった佐々木投手は、この日も北海道日本ハムファイターズ相手に8回までパーフェクト。いや素晴らしい。
ところがこの日はロッテも点を取っておらず、ロッテの井口資仁監督は、9回に佐々木投手を降板させてしまった。
試合は0-0のまま延長戦に入ったが、この進行なら流れは日本ハムである。日本ハムは佐々木投手が降板してくれて、心底ホッとしたことだろう。延長10回に決勝の1点を取り、そのまま日本ハムが勝った。
私は唖然呆然とした。今回の降板について、井口監督はいろいろ理由を述べたが、私には到底理解できなかった。
投手というものは、先発したら完全試合を狙うし、四球を出したらノーヒットノーランを狙う。ヒットを打たれたら完封を狙うし、点を取られたら完投を目論む(この部分は怪しい)。
そのパーフェクトゲームを続けていて代えられたら、投手なんてやってられない。
今回と同様のケースで、2007年の日本シリーズが思い出される。中日の山井大介投手が8回まで日本ハム打線をパーフェクトに抑えていながら、9回に交替させられたのだ。
当時の落合博満監督はこの件について多くを語らなかったが、私はいまでもこの采配に納得していない。
話を戻し、今回の降板について球団は、佐々木投手も納得づくだったというが、佐々木投手だって「投げたかった」なんて言ったら首脳陣批判になるから、当たり障りのないことしか言わない。どう考えたって投げたかったに決まってるだろう。
もし2試合連続完全試合となったら、空前絶後の奇跡的大記録、国民栄誉賞にも匹敵する大偉業だった。それがみすみす水の泡になったのが残念すぎる。
そして意外だったのは、野球評論家やファンのほとんどが、この降板を支持していたことだ。
しかし9回の1イニングを投げたところで、佐々木投手が肩を壊すこともないだろう。それならファンの期待通り、続投させるのが本当ではないのか。それが商業野球ではないのか。
野球関係者の中には、選手の記録のためにやっているわけではない、という人もいるだろう。
しかし、むかしは個人の記録を達成させるために、見苦しい措置があった。
1982年には、長崎慶一選手(大洋)に首位打者を獲らせるため、田尾安志選手(中日)を5打席連続敬遠させた。この試合は、大洋が勝てばすでに全試合を終えている巨人が優勝となったが、大洋が大敗したため、中日が優勝した。八百長とは言わないが、明らかな無気力試合である。プロ野球界には、米長哲学のカケラもないのである。
また連続試合出場の記録を更新し続けていた衣笠祥雄選手(広島)は、1986年や1987年は明らかに力が落ちていた。なのに古葉竹識監督は、最後まで衣笠選手を使い続けた。
そのほかにも、首位打者が確定した選手をその後使わなくなったケースもある。凡打して打率が下がるのを避けたのである。
これらに比べたら、佐々木投手をあと1回投げさせることに、躊躇することは一切ないと思う。
現代のプロ野球は投手が分業制になり、完投投手は珍しくなってしまった。今後、完全試合もノーヒットノーランも、リレーでの達成が多くなってくるのだろう。
こんな夢のないプロ野球に、魅力は感じない。


私の考えは1年前とまったく変わっていない。つまり、今回の交代には納得がいっていない。
佐々木投手のときは0-0だったが、今回は1-0で阪神が勝っていた。佐々木投手のときよりさらに条件はよく、これでどうして交代なのか、理解に苦しむ。
報道を読むと、村上の投球はだんだんボールが高くなってきていたそうで、いつ打たれてもおかしくなかったそうである。
しかし、誰が投げても打たれる可能性があるのは一緒である。また、いい当たりが野手の正面にいったり、ボテボテの当たりがヒットになったりと、調子と結果が比例しないのが野球の面白さである。
そんなに村上の調子が落ちていたなら、1本ヒットを打たれてからでもよかった。
ホームランを打たれたらアレだが、それでも7回以上を投げて1失点は、投手の責任ではない。
何度でも書くが、プロ野球での完全試合は、人生に一度あるかどうかのチャンスだ。
野球ファンだったら一度は見たい、歴史的快挙なのだ。それをみすみす潰すとは……。岡田、アホなのか?
まさかとは思うが、「勝利のためには完全試合中の投手もスパッと代える非情の采配。しかしそれが名監督の証でもある」とでも言われたいがために、あえて代えてしまったのではないか? まったく、呆れて話にならない。
昨年、あれほど勝利に拘ったロッテは、5位に甘んじた。
今年の阪神も、下位に落ちればいい。とにかく、岡田監督には失望した。
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第3期白玲戦・女流順位戦C級6回戦の結果

2023-04-17 21:29:39 | 女流棋戦
この12日に、第3期白玲戦・女流順位戦C級6回戦が行なわれた。
では、結果と雑感を書いておこう。

◆C級6回戦◆
(昇級3名、降級4名)
【5勝】
②伊奈川愛菓女流二段(休み→頼本)
⑫和田あき女流初段(○藤井→室谷)
⑮加藤結李愛女流初段(○清水→山口)
【3勝1敗】
④室谷由紀女流三段(武富→和田)
【3勝2敗】
⑦頼本奈菜女流初段(●山口→伊奈川)
⑪中澤沙耶女流二段(○船戸→貞升)
⑯田中沙紀女流1級※(○小高→清水)
⑰山口恵梨子女流二段(○頼本→加藤)
【3勝3敗】
⑱貞升南女流二段(●本田→中澤)
【2勝2敗】
①武富礼衣女流初段(室谷→藤井)
【2勝3敗】
③小高佐季子女流初段(●田中→宮宗)
⑤本田小百合女流三段(○貞升→船戸)
⑥清水市代女流七段(●加藤→田中)
⑩藤田綾女流二段(●礒谷→竹部)
【2勝4敗】
⑧礒谷真帆女流初段※(○藤田→休み)
⑨藤井奈々女流初段(●和田→武富)
【1勝4敗】
⑬竹部さゆり女流四段(休み→藤田)
【5敗】
⑭船戸陽子女流三段※(●中澤→本田)
⑲宮宗紫野女流二段(休み→小高)
【引退】
⑳カロリーナ・フォルタン女流初段

4勝者2名は星を伸ばし、伊奈川女流二段とともに5勝0敗。1敗者が室谷女流三段ひとりしかいないことから、5勝者の3名が昇級最有力だ。
清水女流七段は加藤女流初段に屈し黒星先行。タイトル43期の大豪だけにさびしい。常務理事の仕事も激務なのだろう。
田中女流1級は小高女流初段に勝って白星先行。最初は0勝2敗でどうなることかと思ったが、これでだいぶラクになった。今期は順位を上げるのみだ。
船戸女流三段と宮宗女流二段の5敗はだいぶ苦しい。
7回戦は5月10日。
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香川女流四段は、森麻季アナと、ラランド・サーヤに似ている

2023-04-16 23:21:34 | 似ている
きょう4月16日は、香川愛生女流四段のお誕生日。おめでとうございます。
その香川女流四段は、フリーアナウンサーの森麻季に似ていると思う。
森麻季アナは1981年2月19日、埼玉県生まれの42歳。青山学院大学卒業。在学時代にミス青山に選ばれる。
卒業後は日本テレビに入社。2011年に結婚。それを機に日本テレビを退職した。
2017年に2度目の結婚。昨年、第2子を設け、順風満帆の毎日と思われる。
現在は、日本テレビ「Going!Sports&News」などに出演中。
香川女流四段と森麻季アナは、目が似ていると思う。

香川女流四段はもうひとり、ラランドのサーヤにも似ていると思う。
サーヤは1995年12月13日、東京都生まれの27歳。上智大学在学中に、お笑いサークルでニシダと知り合い、ラランドを結成する。
その後テレビなどで活躍するようになったが、広告代理店勤務中という異色の肩書が受けた。2021年にはラランドの個人事務所を設立している。
サーヤは英検準1級を持っていることもあり、こうした才女は芸能界で生き残っていける気がする。
香川女流四段とサーヤも、目の周りの雰囲気が似ていると思う。

香川女流四段は前年度の成績は25勝20敗。可もなく不可もない成績か。
白玲戦・女流順位戦はB級で4勝2敗、3番手につけている。女流名人戦はリーグ入りも決め、爆発の布石はできた。今年度の戦いが楽しみである。
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