見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

地域のお宝/房総の仏像・仏画(千葉県立中央博物館)

2008-09-27 21:50:02 | 行ったもの(美術館・見仏)
○千葉県立中央博物館 千葉県の指定文化財展『房総の仏像・仏画』

http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/

 もと千葉県民の友人に教えてもらった企画。千葉県内21か所の寺院・神社・地区から、21体の仏像と約30点の仏画・仏具などが展示されている。こういう、地域に散らばっている文化財を一堂に集めて展示してくれる企画は、本当にありがたい。

 優品は、おおよそ上記の公式サイトに画像入りで紹介されているとおり。私は、木更津市・長楽寺のずんぐりした薬師如来坐像が、愛らしくて好きだ。ヒノキの一木造だというが、金銅仏のように黒光りしている(平安初期)。鎌倉時代の銅造准胝観音立像は、40センチに満たない小像だが、つくりは精巧である。全部で十八臂あるが、持物が全て失われてしまったために、却って手の表情が美しく感じられる(うち二臂は、耳の横でガッツポーズしているように見えて可笑しい→写真あり)。

 仏画では、元末~明初と伝える絹本着色十六羅漢像(成田市・大慈恩寺蔵)の第十三~十六尊者が出ている。細密で濃厚な表現には「日本で描かれた仏教絵画には見られない特徴」があるというが、第十六尊者の図は、リアルな人物描写、きちんとした遠近感が、洋画を学んだ幕末の日本画を思い出させた。ちなみに、第一~十二尊者の図は、現在、大慈恩寺で公開中というお知らせが掲示されていた。

 成田市・迎接寺の鬼舞面も興味深かった。赤鬼・青鬼・黒鬼・黄鬼・白鬼と、五行が揃っている。角は1本だったり2本だったり、口を結ぶ者、呵呵大笑する者、さまざまだが、いずれも金目。宗達の風神・雷神に似た、ぎざぎざ眉の鬼面もある。全て「年代不詳」とあったが、民俗資料は、年代特定が難しいんだろうなあ、と想像された。
コメント
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