
白人宦官ヤシムの言葉。
イェニチェリ軍団が近代化した国王の軍隊によって粛正された「イスタンブールの慶事」から10年後の1836年、オスマントルコ帝国の首都イスタンブール。
4人の近衛士官が行方不明になり、順番に惨殺死体で発見されるという事件が勃発した。スルタン臨席の閲兵式を控え、早急に事件解決を図ろうとする司令官は、聡明さで知られる宦官ヤシムに調査を託す。
だが、誘拐殺人の背後に、近代化の障害となって抹殺された、かつてのオスマントルコの精鋭軍団イェニチェリの陰が見え隠れするのに気がついたヤシムに、祖国を失ったポーランド大使パレフスキーは「ある種のパターンが見つからないことには始まらん」と言うのだが……。
19世紀のイスタンブールを舞台に、宦官が祖国を失った外交官や図書館司書の奴隷少年らの協力を得ながら連続殺人の犯人や宝石泥棒を捜し求める物語。映像向きのミステリーで語るイスタンブール探訪。
いちばんキャラが活き活きとしていたのは、呑んだくれのポーランド大使だと思いますね。ヘタレ具合が、かっこいいよ。
【イスタンブールの群狼】【ジェイソン・グッドウィン】【ハヤカワ・ミステリ文庫】【イエニチェリ】【イェニチェリ】【宦官】【大鍋】【風呂】【メフレヴィー派】