付け焼き刃の覚え書き

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「ドスコイ警備保障」 室積光

2008-06-26 | その他フィクション
 相撲取りになったからといって、全部が全部横綱関取になって親方株を手に入れて引退できるわけではない。幕内に入れずに消えていく者も少なくない。
 そこで、相撲協会理事長・南ノ峰親方は、力士たちの再就職先として、彼らの体格と運動神経にふさわしい会社を立ち上げることを決断した。民間警備会社、「ドスコイ警備保障」の誕生である。

 ……という、導入部から想像できるままの話。面白い。エンターテイメント小説の名にふさわしいし、テレビシリーズとかにしたら、1章ごとの起承転結とかもしっかりしているんで面白いかな。
 相撲取りは単なる太った大男ではなく、たとえ幕下力士クラスでも、筋力や瞬発力は一流で普通の人間は太刀打ちできないぞ……という視点で話が進んでいきますが、あれこれ話の中心となる人物が変わる群像劇的な構成なのに、話全体を貫く物語が「引退した力士の再就職先として作った会社はなんとか成功して軌道に乗りました。よかったですね」というものだけなのですね。途中で出てくる刑事やカメラマンなども、そのときに出番があるだけで、結局、以後のストーリーに絡まないし、伏線にもならない。唯一、その後のストーリーに絡むのは不良高校生3人組だけ。あとは、みんな園場かぎりさん。
 良くも悪くも、エンターテイメント小説ですね。自分の本棚には残らないと思います。

【ドスコイ警備保障】【室積光】【芸能界】【役者】【パパラッチ】
コメント
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