付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「空色パンデミック(3)」  本田誠

2010-10-06 | 超能力・超人・サイボーグ
「私はファミ通文庫、あまり読まないから。電撃とか富士見ファンタジア文庫とかメジャーどころはおさえているけれど……」

 クリスマスまであと数日。暑い日が続いている。
 そんな折、アメリカから来日した空想病の権威である研究所長は、生意気な金髪美少女だった……。

 ネタ的にそろそろ限界かな。
 面白いし、仕掛けもいろいろメタフィクション的に工夫しているけれど、前提が「周囲を自分の妄想に引き込む空想病の物語」なのでパターンが読めてしまうのです。配役が固定している推理小説のようなもので、どんな怪事件が起きても犯人の正体は明白だよね?とまるで少年探偵の江戸川乱歩作品のようなもの。
 異変が起きても「空想病が原因だよね」だし、この主人公の苦境への陥り方を見れば、誰の仕業がすぐに見当がつきます。かといって、「フリーダム!」「ディスティニー?」というやりとりを愉しむこともできません。
 もう少し、人間関係のやりとりに話の中心がシフトして愉しませてくれると良いのだけれど、そのあたりは11月に出るらしい短編集に期待してみます。

【空色パンデミック】【INNOCENT GIRL DAYDREAMING】【本田誠】【庭】【クリスマス】【天才少女】【不死】【ファミ通文庫】
コメント
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