付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「僕たちは監視されている」 里田和登

2010-10-14 | 学園小説(不思議や超科学あり)
 「このライトノベルがすごい!文庫」が創刊されたものだから、第1期くらいは好き嫌い言わずに全部読もうと思い、この金賞受賞作品でしばらく止まってます。どこが悪いとは言わないけれど、なんとなく文章が頭にすんなり入らず苦戦。冒頭の病気の説明文でちょっと引っかかったのが大きいかな。全体的に説明先行で、設定を説明するために警察を信じられないほど無能にしていたり。

 「IPI症候群」とは気になったことを調べつくさないと気がすまなくなり、どんな秘密でも知りたくなる心の病。
 その患者の増加に対応すべく、政府は治療者である「IPI配信者」を制度化した。その私生活をネット配信することで、患者の好奇心を満足させる生贄である。もちろん、配信者は患者が興味を持ちたくなるくらい魅力的であることが前提条件だ。その人気ランキングが報酬のランクにもなる。
 学生生活をおくりながらIPI配信者として上位ランキングをめざしていた小日向祭だったが、それなりに順調に過ぎていた日々は、同じくIPI配信者であるテラノ・ユイガの転校で大きく揺らぎ始めた。
 祭より上位の配信者であるテラノだったが、彼女は自分の日常生活のほとんどすべてを配信していたのだ……。

 耳にドリル型のカバーをかぶせた少年少女の青春ドラマ。
 「1984年」とか「未来世紀ブラジル」みたいなディストピアものかと思ったら、ライブチャットの投稿者が国家公務員みたいな扱いを受けている話でした。

【僕たちは監視されている】【里田和登】【国道12号】【このライトノベルがすごい!文庫】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする