「人間はどいつもこいつも、程度の差はあれ、自分にとって都合のいい真実を選びたがる傾向にある。その真実でもって、世の中を解釈しようとする」
福地警部の言葉。
遺言詞(いごんし)性統合失調症候群の罹患者は脳神経に障害が発生し、世界の認識が常人とは大きく異なってしまう。そして彼らは同じ症状の者同士でコミュニティを築き、第三者から見れば発音も文法もデタラメな言葉で会話をかわしながら、それぞれの認識する世界で生き始める。重力が反転したと思いこみ、自分を天井から宙づりにしたり、暗闇の世界で聴覚だけを頼りに生活したり。
そんなコトモノと呼ばれる罹患者が増え始めた時代。自然の流れのように、他のコトモノを捕食する存在が出現する。全国各地でコトモノたちのコミュニティが襲撃され、壊滅するという事件が相次ぎ……。
言語というOSが変われば情報処理速度も処理内容も変わるというのがディレーニイの『バベル-17』なんだけれど、これもそんなような話。
コトモノたちの言動は一般人から見れば奇異だけれど、彼らの世界の中では正常であり、むしろ一般人には得がたい力を本能的にというか自然に身につけていて、利用しようと思えば宝の山に見える……というシチュエーション。神林長平の作品が好きな人には、こういう自己認識が世界を変えていくという話は取っつきやすいかも知れません。
【ランジーン×コード】【大泉貴】【しばの番茶】【このライトノベルがすごい!文庫】【鏡の国のアリス】【美術部】
福地警部の言葉。
遺言詞(いごんし)性統合失調症候群の罹患者は脳神経に障害が発生し、世界の認識が常人とは大きく異なってしまう。そして彼らは同じ症状の者同士でコミュニティを築き、第三者から見れば発音も文法もデタラメな言葉で会話をかわしながら、それぞれの認識する世界で生き始める。重力が反転したと思いこみ、自分を天井から宙づりにしたり、暗闇の世界で聴覚だけを頼りに生活したり。
そんなコトモノと呼ばれる罹患者が増え始めた時代。自然の流れのように、他のコトモノを捕食する存在が出現する。全国各地でコトモノたちのコミュニティが襲撃され、壊滅するという事件が相次ぎ……。
言語というOSが変われば情報処理速度も処理内容も変わるというのがディレーニイの『バベル-17』なんだけれど、これもそんなような話。
コトモノたちの言動は一般人から見れば奇異だけれど、彼らの世界の中では正常であり、むしろ一般人には得がたい力を本能的にというか自然に身につけていて、利用しようと思えば宝の山に見える……というシチュエーション。神林長平の作品が好きな人には、こういう自己認識が世界を変えていくという話は取っつきやすいかも知れません。
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