付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「E.G.コンバット」 秋山瑞人

2011-11-02 | ミリタリーSF・未来戦記
 長男がまだ中学生の頃、なにか面白い本を貸してくれと言ったので、この秋山瑞人のデビュー作であるこの本を「続きもあるけど、読んではいけないよ……」と言い含めた上で貸したのだけれど……「決して開けないでください」という言葉が守られたためしはないのですよね。

 ルノア・キササゲはまだ21歳の女性であり、北米総司令部で最年少の大尉。そして人類と謎の侵略者である生成晶との戦いでは撃破数が歴代7位。月より舞い降りしワルキューレ、反応速度の女神と呼ばれ、ファンは多数。
 だが、出る杭は叩かれる。英雄ルノアは、戦場となった地球から疎開先である月へと送り返され、訓練校で落ちこぼれ5人組の教官となるのだが、地球と月の訓練校とのギャップに悩むことになる。こんなカリキュラムで訓練した教え子を戦場に送り出しても、あっという間に戦死するだけだと分かっているのは実戦経験のあるルノアだけ。
 ルノアはあえて通常のカリキュラムを外れてみせるのだが……。

 互いに試行錯誤を繰り返す、教官と教え子たちの成長物語。表紙にクセはあるけれど、この手の話の中ではダントツのトップ。
 『エンダーのゲーム』とか『アルテミス・スコードロン』みたいなミリタリーSF仕立ての青春学園ものって好きなのですが、最近は魔法使い養成学校ものばかりで、戦士訓練学校ものはほとんどみないなあ。ハリポタ以来、魔法使いもの一色のような気がします。

「階級っていうのはね、部下への保証書なのよ、ルノア。伊達や酔狂でもらえるほど安いもんじゃないわ」
 サヨコ・ヤマグチ次官の言葉。

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「ベルベットビースト」 ジャック・ヨーヴィル

2011-11-02 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 「吸血鬼ジュヌヴィエーブ」もシリーズ3作目。
 霧に包まれた都で娼婦が切り裂かれ殺害されるという事件が連続して発生するという、「切り裂きジャック」とフランス革命を足して割ったような群像劇。
 シリーズといいつつ、ジュヌヴィエーブは完全に通行人A。なんなんだ?(2007/10/04)

 確かに面白い作品だったというイメージはあるのだけれど、内容はあまり記憶に残っていない。ドラキュラから架空史を語った「ドラキュラ紀元」のインパクトが強すぎです。

【ベルベットビースト】【ウォーハンマーノベル】【ジャック・ヨーヴィル】【HJ文庫G】【貴族】【退廃】【腐敗】【切り裂きジャック】【吸血鬼】
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「吸血鬼ジュヌヴィエーブ」 ジャック・ヨーヴィル

2011-11-02 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 ジャック・ヨーヴィルことキム・ニューマンのホラーノベル、吸血鬼ジュヌヴィエーブ・シリーズの2作目。
 「オペラ座の怪人」をモチーフにした作品を含む、『ドラッケンフェルズ』やシリーズ3作目の『ベルベットビースト』の後日譚を描いた中編集。

 ユニコーン狩りと孤立した邸宅の惨劇とデドルフの芝居の顛末とか収録されていますが、2といいつつ、1に続く3の後日談ばかりってのはどーよ?と思わないでもありません。
 それに、表紙が海外版のジュヌヴィエーブのイラストをそのまま使い、基本の色だけ赤・青・緑と変化させただけなのは面白くない。いや、イラストが下手なわけではないし、色違いで同じイラストというのもオシャレだと思う。でも、やっぱ700歳近いけれど見た目は16歳の美少女吸血鬼というと、それなりにイメージがあるのよ。いや、これも確かに16歳の美少女だけどさあ、その「16歳の美少女」のイメージについて、小一時間は語り合いたい。(2007/10/04)

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「ドラッケンフェルズ」 ジャック・ヨーヴィル

2011-11-02 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 『ウォーハンマー』というTRPGがあり、その舞台やNPCを借りてジャック・ヨーヴィルこと『ドラキュラ紀元』のキム・ニューマンが独自のホラーノベルを展開したもので、吸血鬼ジュヌヴィエーブ・シリーズってことになってます。絶版となっている安田均訳の角川版は読んだことがないけれど、こちらの新訳は良い感じ。
 舞台となるオールド・ワールドは、ドワーフやエルフやゴブリンが普通にいることを除けば中世ヨーロッパに酷似した世界。というか、東方の帝国がキャセイで、その向こうの島国がジャパンって……。

 シリーズ1作目の『ドラッケンフェルズ』は、英雄オズバルトが世界を支配しようとしていた邪悪なる大魔法使いドラッケンフェルズを倒して25年、かつての栄光を永遠に後世に残さんと監獄にいた天才劇作家デドルフ・ジールックを連れだし、ドラッケンフェルズを退治した旅を舞台化、当時のままに残るドラッケンフェルズの城で上演しようと画策するのだが……という話。十分悪趣味な趣向に、案の定、連続殺人が発生し、冒険者たちの生き残りであるジュヌヴィエーブが犯人を追い求める群像劇。1人昔のままのジュヌヴィエーブに対し、めっきり衰えて先が見えているかつてのパーティ・メンバーの姿が痛々しいね。ダメダメ男っぽいデドルフが想定以上に頑張るのが意外。(2007/10/04)

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