付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「調停少女サファイア(2)」 瀬尾つかさ

2011-11-11 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「平和が一番だから敵対勢力は弱小なうちに徹底的に叩き潰すんじゃないか」
 高原の国ユーヴラースの統治者の娘、ツェイユの言葉。彼女は常に血の雨を降らせすぎる。

 ヒューマンとノームが混在するユーヴラースにはヒューマンとノームの統治者が2人いる。しかし、ヒューマンの王女ニフリートとノームの王の娘ツェイユが親友ということもあり、この高原の国はうまく治められていた。
 だが、この国の護りである自動人形クロックワークスが何ものかに操られ、その集団がツェイユを襲撃する。クロックワークスは伝説の龍をも倒すと言われているほどのゴーレムであり……。

 2巻にて一応の完結。書きたいことは書いたという作者あとがきですが、もう少し読みたかったな。せめてもう1冊。

「本来、交渉とか調停なんて最後の手段なの」
 やっかい事は芽の内に摘むのがセオリだと、調停者サファイアの言葉。

 魔王といいながら悪いことしなかったり、アイドルといいながら殴り合っていたり、弁護士なのに被疑者を皆殺しにしていたりと看板に偽りのある話は(面白いつまらないは別として)いろいろありますが、これきまさしく看板に偽りなしの作品。
 あれこれあっても、最後にきちんと調停して交渉をまとめる話になっているところがミソ。そして「交渉は最後の手段」なのだというのが、逆説的な主張。水戸黄門みたいなものかな。悪いやつはとりあえず実力で叩きつぶし、それから印籠を出す……ようなものなのだろうか。
 「穏便だけど卑劣な方法と、派手になにもかもぶっ壊すの、どっちがいい?」というセリフも、どこかで使いたいセリフではありますね。

「民衆は、パンを配る者のことを名君と呼ぶの」
 ナトラの娘にしてフラウナラウの王女サフィアの言葉。

【調停少女サファイア】【瀬尾つかさ】【優木きら】【神殺し】【機械竜】【水浴び】【錬金術】【予習復習は学問の基本】
コメント
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