付け焼き刃の覚え書き

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「魔王なあの娘と村人A(2)」 ゆうきりん

2011-11-24 | 学園小説(不思議や超科学あり)
「擬人化も含めて人間を主人公にしている限り、舞台装置がなんであれドラマは成立するってことでしょ。物語っていうのはつまるところ人間を描くものなんだから」
 勇者・光ヶ丘翼の言葉。

 勇者と魔王が争っている光景も、周囲からはゴッコ遊びのようにしか見えない。
 しかし、どういう仕組みか一般人には知るよしもないが、《個性者》が異世界《テイル・ユニバース》で物語を創造すると、国には莫大な利益が入るらしい。
 だから、《個性者》はさまざまな形で国から利益を供与され、社会に出れば富豪みたいな暮らしができるわけだけれど、彼らにとってはそんなことはついでのことなんだろう。
 「勇者」の個性を持つ《個性者》は平和な日本の学園にあっても勇者として行動するし、「魔王」の《個性者》は同じように常日頃から人類を殲滅することだけを考えているが、それが彼らにとっての自然な生き方なのだ……。

 ぶっちゃけ、勇者(女)と魔王(女)が村人(A)を巡って三角関係の火花を散らす話なのだけれど、魔王が日々考え実行に移している人類殲滅計画がストーリーの要。にやにや読みながら、このいかにも優等生的な行動がどう人類殲滅に結びつくか考えるのも読書の楽しみです。
 深いわー。遠大だなー。

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コメント
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