付け焼き刃の覚え書き

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「サイモン・アークの事件簿(1)」 エドワード・H・ホック

2011-12-13 | ミステリー・推理小説
「コンピューターが悪魔に取って代わった」
 教会の説教でもめったに悪魔のことを言わなくなったとサイモン・アーク。

 悪魔やオカルトな事件を追い求めるサイモンは自称2000歳の研究者。大学で講義をしたり著書執筆の傍ら、各地のオカルト事件の調査に赴くが……。

 まったく知らなかったのだけれど、オカルト探偵サイモン・アークといえば何十年も作品が発表され続けていたオカルト・ミステリの代表作。ホックの別シリーズ、「怪盗ニック」や「サム・ホーソーン」は知っていたけれど、他にもレオポルド警部の警察モノとか西部劇、独立戦争、スパイ、SFとさまざまなタイプのミステリを書いていたんだとか。
 読んだ範囲では、いかにも王道の古典ミステリなんだけれど、キャラクターも特徴的だし、シリーズによってユーモアがあったりオカルト風味が足されていたりとなかなか飽きさせない短編ミステリの名手。
 このシリーズも、基本は正統派ミステリ。さまざまな怪奇な事件が起こりますが、結局いちばんミステリなのはサイモン本人。語り手である“わたし”が新聞記者から編集者に転進し、結婚し、部長、発行人と出世している間も。彼の姿に変わったところは見られないのです。

【サイモン・アークの事件簿】【エドワード・H・ホック】【創元推理文庫】【大量死】【カルト教団】【コプト教】【狼男】【チャンドラ・ボーズ】
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