
「刃とは、降りかかる理不尽に屈することなく己の意志を貫徹するための手段であるべきです」
乞食の参渦の言葉。
蓮空が大比武に出場することに決めたと下町が沸き立った。
末端も末端の兵法道場の師範代理に過ぎない男でも、命がけの武術大会でそこそこの成績を残せば任官できる。それは下層の民にとっては夢のような栄華であり、人々は自分たちの夢を無骨だが真面目な男に託したのだ。だが……。
人間は弱いし、自分とは生まれも育ちも能力も違う人間のことなんて、分かっているようで全然理解できていないのだ。もしかしたら、自分のことだって、分かっていないかも知れない。そんな話をさまざまな武術家たちの生き様を通して描いているわけで、既に何となく群像劇の気配。
これでは確かに、武術の才に目覚めたお姫さま・月華と、山岳民族の末裔である少年・涼狐の物語が進むわけがありません。もっとも、この2人の物語の行き着く先が、幸せな光景であるとも思えないのです。
【DRAGONBUSTER(2)】【龍盤七朝】【秋山瑞人】【藤城陽】【電撃文庫】【龍の末裔】【辻斬り】