
加納慎一の、小学生時代の担任の言葉。
いつの間にか異世界と地続きになり、こっそり国交を結んだ日本。しかし、異世界とつながるゲートは小さく、大がかりな交易は不可能。
そこでお役人たちが考えついたのが文化交流。クール・ジャパン。日本のアニメやコミックやゲームを異世界に輸出しようというのだ。とはいえ、官僚や商社が一夜漬けで学ぼうとして何とかなるほどオタクの世界は浅くも狭くもない。
そこで、オタクでひきこもりの青年を見つけてきて、“異世界初の総合エンタテイメント商社の総支配人”という名目で島流しするのだが……。
異世界に「萌え」を売り込め!の言葉どおり、どたばたギャグでオタクが無手勝流で暴れ回る話なのかと思いきや、主人公が思いのほか沈着冷静です。相手の文化が受けいれられる作品を選定しないといけないし、そもそも封建貴族制の社会で国民の大半は文盲。日本語を翻訳するにせよ日本語を教え込むにしろ難事業なのは明白だし、言葉を教え文化を輸出すること自体が一種の侵略なのだと気がついてしまいます。
つまり萌える侵略。
カルチャー・ギャップとか文化侵略という視点をしっかり踏まえているので、ハーフエルフのメイド・ミュセルや皇帝ペトラルカがどう成長していくのか、そちらが楽しみな作品になりそうです。
でも、この企てが成功したとしたら、どう考えてもこの帝国の未来絵は、『A君(17)の戦争』にしかならないような気がします……。
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