
「物語はわたしたちの愚かさから生まれ、痴愚を肯定し続ける」
世の大半の者は理屈を理解できないし、理解できないということは彼らにとって存在しないということなのだと、ニコライ・クラソートキンの言葉。
フランケンシュタインの屍体蘇生技術が全世界に拡散した19世紀末。家事労働・工業生産から軍事まで、生きる屍体なくしては社会は成り立たなくなっている。
医学生だったジョン・H・ワトスンは、ヴァン・ヘルシング博士の推挙により英国政府機関の秘密諜報員としてアフガニスタンへ赴くこととなった。同行するのは、天衣無縫にして猪突猛進の陸軍大尉バーナビー。目的はアフガニスタンの奥地に屍者の帝国を築こうとする一派の野望をくじくことだというのだが……。
フランケンシュタインの怪物で始まる話かと思っていたら、どちらかというとゾンビ小説で(そりゃそうだ)、ホラーかと思っていたらスチームパンク・アクションで、クトゥルフ神話っぽいかと思っていたらSFだったという話。キム・ニューマンの『ドラキュラ紀元』をゾンビでやってみたような話といえば……。
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