付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「アスガード7」 細井雄二

2012-09-22 | 超能力・超人・サイボーグ
 1974年から2年間、学研の学習雑誌に連載されていた、科学的知識を盛り込んだ学習マンガ。石森章太郎原作の戦隊ヒーローものの体裁で、これは1974年4月号から1975年3月号にかけて『5年の科学』で連載されていた細井版。他の執筆陣には、ひおあきらやすがやみつるの名前もあり、今思うとけっこう豪華なラインナップです。

「科学でたいせつなのは、変わったことを見つけたら、あまり関係ないと思うことでもはっきり記録しておく態度だ」
 欄外のコメントも学習マンガらしいね。

 主人公の名前は研マナブで、これは学研のもじり。今見ると、第1話には「未来救助隊」の文字がないので、これは後付けなのかな。
 
【未来救助隊アスガード7】【地球の自然を守る7人のメンバー】【細井雄二】【石森章太郎】【学研】【化石の森】【飛行機事故】【臓器移植】【偵察衛星】【人工カビ】【森の治水機能】【光の屈折】【機雷】【空気の振動】【二酸化硫黄】【熱伝導】
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「マージナル・オペレーション2」 芝村裕吏

2012-09-22 | 架空戦記・仮想戦史
「ファンタジーだ。ファンタジーだよ。私は一人のただの人間が現実を叩いてその壁を揺らすのを見た。一人の人間の拳がファンタジーを呼ぶんだ。世界の壁、常識の壁という奴が、一人の人間の拳の前に揺らぐのだ」
 民間軍事会社でオペレーターの総括をしていたクロード・ランソンの言葉。熟達の軍人である彼でさえ、アラタを賞賛せずにはいられない。

 2ダースもの少年少女を引き連れて戦乱の中央アジアから逃れたアラタだったが、親の保護も教育もツテもない子供たちが生きていくためにできる仕事は少ない。だからアラタたちは傭兵となった。それがいちばんまともな選択だったからだ。
 そして1年。彼らは日本へと足を踏み入れた。アラタには久々の帰国であり、子供たちにとってはちょっとした修学旅行みたいなものだ。
 しかし、いくら平和ボケした日本であっても、歴戦の傭兵集団の入国には気づかないはずがなかった……。

 発売予定日に半径15キロの主立った書店を梯子して、やっと発見。取次は地方書店を冷遇しすぎだと思う。
 血涙を流しながら読了。

 平和な時代においては無能の烙印を押されかねないような人物が、非常時において才能を開花し認められ頼られる英雄譚というのは、好きな物語のパターン。『銀河英雄伝説』も『翼の帰る処』とか、そんな感じの物語ですね。
 とはいえ、こうした物語は、当の主役が意に反した行動を強いられるというストレス負荷実験のような話になるわけで、この話も子供たちを戦禍から救おうとした結果なのに、結果的に子供たちを戦場に投入することでしか活路を見いだせないジレンマが歯がゆいです。
 かつてアムロ・レイは「小さい子が人の殺し合い見るの、いけないよ」などといいましたが、これはその子供が平然と人を殺していく話なのです。手放しで拍手喝采とはいきません。すごく面白くて、何度も読み返してしまうのだけれど、これでいいのかなーと読み手の方もアラタと同じように悩んでしまうのです。

【マージナル・オペレーション02】【芝村裕吏】【しずまよしのり】【星海社FICTIONS】【民間軍事会社】【赤門前】【天ぷら】【自動販売機】【浅草浅草寺】
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