付け焼き刃の覚え書き

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「青い鳥文庫ができるまで」 岩貞るみこ

2012-09-09 | エッセー・人文・科学
 青い鳥文庫を題材に、人気シリーズ最新作について作者と編集の打ち合わせから、宣伝材料の手配、校閲、校正、帯作成、印刷、書店配送、サイン会までを、編集者モモタ視点で紹介した、小中学生向け「本ができるまで」。
 装丁も本物の青い鳥文庫そっくりなのだけれど、それよりは大判のハードカバー。なによりも(本文中ではあれだけ重要性を強調しているのに)イラストレイターの名前が表には出てこなくて、奥付に小さくちょろっと載っているだけなのが象徴的。軽視されてるなー。
 そして、途中はけっこう紆余曲折あるのに、最後は本屋の店頭に新刊がどかんと積み上がってめでたしめでたし。これは大都市の大書店限定の話ですよね。いくら宣伝していて、評判で、人気があっても、いや、新聞やテレビで宣伝されていて、前評判が高ければ高いほど、地方の中小書店には配本されないんですよ。売れる数だけ注文をかけても入荷しない。
 売れ残りが怖いのだろうけど、ぎりぎりしか刷らない。取次はまず大型書店にどかんと配本して確実に売ろうとするから、5冊10冊という小さなところには届かない。届かないから売れない。まともに届くのは人気も下火になった2週間後とか1ヶ月後なので、今さら来ても売れやしない。売れないから実績があがらない。実績がないから配本されない……のエンドレス。
 確実に手に入れたければ、アマゾンで予約ですよね。

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