「伝統と習慣のほうが法よりも拘束力が強いんだな。法は変わっても、伝統は持続するんだ」
魔法使いホチョペペの言葉。
竜の鎧を手に入れたトマスがグレイタワーズの小人族と共に戦い続けていた頃、パグはツラニの捕虜となり、沼地の収容所で強制労働に就かされていたが……。
離ればなれになった2人の少年が、長い戦いの中で計らずしてそれぞれ別の道を歩み始めるのがこの巻。長い歳月の間に皆誰もが成長し、傷つき倒れ、そして幻影の中に己の過去と未来をかいま見ます。
だんだん人間離れしていくトマスが不気味で、これからどうなるのだろうかとドキドキしながら読み進めていた頃を思い出します。
表紙イラストとしては、出来は橘版より米田版の方が良いと思いますが、米田版は話の中身を反映していないからなあ。ここは主人公2人を対比させて成長を描くべきでした。
【異世界の虜囚】【リフトウォー・サーガ】【レイモンド・E・フィースト】【米田仁士】【橘賢亀】【ハヤカワ文庫FT】【イタチ】【坑道戦】