ゲーム世界に転移してしまった現代の若者たちの冒険譚も３冊目。全般に戦闘では女性陣が前衛の壁役で男性陣が支援系という話ですが、それだけでは活動に限界があると、よっこらと男が前に出てくることも増えました。それでも命がけの決戦よりも、異世界での自給自足の方に話の軸足がきているので基本のほほんな物語です。まだ「なお」とか「蛇足ながら」などのエクスキューズを強調したがる癖が気になりますが、読む方が慣れてきたかな。カタリナの乱によるファーレーン編の完結と、次のエルフの森編へつながる後日談の短編が３つに真エピローグ。あいかわらず、マイペースの横綱相撲で最終決戦です。この作品の野菜ポメは、ランスのハニ－埴輪みたいなもので、あまり真面目に考えるなというエクスキューズなのかもしれません。
「そういう時（どれから手をつけたら良いか判らないとき）は、すぐに終わるものか、ずっと続ける必要があるものから手をつければいいわ」
第２王女エレーナの助言は、なんとなくダイエットのコツに似ていた。
唄による瘴気の浄化シーンは映像かドラマＣＤで味わいたいものです。そして、やはり登場したのは悪魔の発明。
閉鎖的な孤高なエルフ族の社会を単なる「田舎者」と言い換えてしまう視点が好きです。
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