
「レイテで反転したときに懲りたんじゃ、もう二度と上官命令なんか聞くものか! お上は信用ならん! 儂は己がしたいことしかせん! 儂が六道輪廻を外れてここにおるのは世を呪うためでも世界平和を守るためでもない、国会図書館で円城塔とバチガルビを読みながら安部公房と埴谷雄高と伊藤計劃が輪廻転生して新作を著すのを待つためじゃ!」
宮仕えはしたくなかったと、人の身でありながら天狗となった田原坂史郎。
出屋敷市子は第一印象が“怖い日本人形”という、一見して根暗で人づきあいのできない中学生。周囲からはデビット・カッパーフィールドと呼ばれているが、それにはいろいろ不可解な経緯があって……。
かつては日本の土地を守護していたらしい、やんごとなき少女だけれども中学生になって引退。でも、普通の中学生の生活に馴染めないし馴染みたくもないという困った性格で、しかも彼女を守護している八十八柱の神々の使いである妖怪たちはそのままに、いろいろな事件に巻き込まれる物語。
短編は全部で4つで、中にはちょっとシニカルな度合いが高いのもあるけれど総じて満足だけれど、最後は妖怪譚的……ではないけれど、釈然としない理不尽な結末というか、つまり葛葉芹香が活躍しない大雅さんメインの話なので、この話の先が読みたくなります。ここで終わると、なんかもやもやするんです。
【ただし少女はレベル99】【汀こるもの】【usi】【講談社ノベルス】【桜餅】【ドラえもん】【クロノトリガー】【声が榊原良子で怖い】