
時は幕末、慶応三年。所は横浜外国人居留地。
横浜外国奉行所の同心、草間凌之介のもとに持ち込まれたのは、購入した屋敷に幽霊が出るという新聞社社長ミルトンの相談だった。
「キリスト教では、死者は最後の審判まで墓の下で眠っていることになっているのでは?」
「イギリス人は幽霊好きなのだ」
攘夷派浪士が出没する横浜で、日本と西洋のぶつかる中を飄々と生きる若き侍の捕物帖。羊羹の正体は早々に推測したのが当たってました。子供の頃に伝記とか読んでたから、なんとなくそういうものだという基礎知識があったんだ。
「日本人は流行に弱いですからね。深く意味も考えず、流されるんです」
議会制民主主義だって簡単に衆愚政治になりかねない。そもそも大政奉還だって武士と武士の争いであって、そこにそれ以外の民の意思は存在していないと草間凌之介。
時代の流れが見えていながら、なんともできない歯がゆさが伝わってきます。
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