
著者が70年代末から80年代にかけて雑誌や新聞などに書いてきた、ミュンヘン滞在のことや旅行記、書評、家族のことや各国の国民気質のことなどをテーマ別にまとめたもの。
まとめたといっても本当に日々の記録の断片なので、途中でストンっと終わっていて「結局、このあとどうなったの!?」と言いたくなる話もちらほら。たとえば二十歳になった娘がいきなり家出してしまった……とか言われ、そのときの著者の気持ちは伝わってきても「どうしてそんなになっちゃったの?」「それでどうなったの!?」という好奇心というか当然の欲求は、関連書で全体の流れを把握しないとわからないままなのでした……。
「私、笑う人が好き。笑い合えば、お互いが理解し合ったことの証明になるのよ」
早朝の特急列車で手紙を書いていた、あるスペイン人女性の言葉。
自分で考え、自分でさっさと行動してしまう娘に言い切れない著者の思いが伝わってきます。自立心旺盛に育てたのは自分で、まさしくその通りに行動しているのに今ひとつ割り切れないのです。
その他にもあれこれ著作の舞台裏的な、身も蓋もない話がごろごろと。
【ミュンヘン往き来】【ふたつの国の娘と私】【子安美知子】【学陽書房】【ミュンヘンの小学生】【ミュンヘンの中学生】【シュタイナー教育】【レニー・リーフェンシュタール】