○三好 梓 「Dジェネシス ダンジョンが出来て３年」之貫紀（エンターブレイン）息の合ったコンビだけれど不思議に恋愛臭のない男女がチームを組んで、真っ向からダンジョンに挑む他の冒険者を尻目にマイペースに検証を積み重ねていく、空想科学冒険小説のヒロイン。主人公である芳村の代わりに表舞台に立つ顔であり、同時にスパコン「京」まで駆使して、さまざまなデータを分析して的確に仮説を積み上げては新たな発明・発見につなげていく、チームの頭脳。また、当初は経験皆無のペーパー免許なダンジョン探索者だったものの、収納庫スキルを攻撃に応用することを思いついてからは戦闘力でも世界トップレベルに……。重要な決断を下すのも彼女が判断することが多く、つまりチーム「Ｄパワーズ」のほとんどすべて。主人公はもっぱら肉体労働を担当。北谷マテリアル勤務時代は芳村の後輩でしたが、退職時には芳村の時より強く引き留められたのも納得の天才です。
ナチュラルなグラデーションボブな髪型の可愛らしい系美人で、所作はくるくる動いて小動物を彷彿とさせるけれど、心は近江商人でビジネスには容赦なし。書籍版ではかなりえげつない尋……というか質問とか、強……協力要請とかしてます。
けれど趣味が偏ったワインマニアなのが欠点で、滅多に手に入らないワインを報酬にされて、億でも引き受けないはずの仕事を二つ返事で引き受けたことも。
○塙 直子 「信長の庶子」壬生一郎（ヒストリアノベルズ）
「カレーの辛さへの挑戦は、ある程度のところで止めるべきでしょう。辛いだけで美味しくなければカレーではありません」
「人がいいだけで政治家なんてできるか！」
『ポンコツが暴走を始めました』
「民衆は不満が大きくなれば、為政者に対して声高になるからな。後になって、実は気にくわなかったと文句を言う」
リアムが領地経営を始めて50年。そろそろ幼年学校に入学する時期が近づいていた。貴族の子弟はここで全寮制の６年間を過ごさねばならないのだ。
口絵・挿絵を入れない代わりに表紙イラストには巧いイラストをがっちり配置している、講談社レジェンドノベルスの2018年10月の創刊から2020年11月までの２年ちょいに刊行された84冊の表紙イラストすべてを収録した１冊。応募者全員プレゼント企画です。
「……これは祝い酒です。ヤケ酒ではありません」
『人間は暇になると色々なものを溜め込みがちになる。それは家具やコレクションだけでなく人間関係も同じかも知れない』
ペルネーテにシュウヤが構えた大邸宅には、彼が〈筆頭従者長〉や〈従者長〉として眷属化した恋人やら部下やらが集結。さらには冒険者奴隷たちの宿舎も用意され、拠点として動き始め、かねてよりの懸案だった、邪神の使徒パクスとの対決についてもケリをつけた。
「神話は何かと云えば、人間には捉えきれない森羅万象を表現したものがほとんどです。人の意の儘にならないものに似姿を与え、伝えてきたものの末裔。それが妖精」
「物語を想像するにあたって、意識していたコツがあるのよ。必ず、ハッピーエンドに持っていくの」
「現実は他人から否応なしに押し付けられるものじゃない。理想を持つ者が作り上げるものだと俺は思う。理想を捨て去った人間が語る現実こそが幻だ」
彼は引きこもりだった。34歳で無職で童貞で、親の葬式にも出ないで自室でエロ動画だがエロ画像をあさっていて、喪服の兄妹たちに家から追い出された。彼はこうして住所不定となり、見ず知らずの他人を助けようとしてトラックに轢かれて死んでしまう。
