伯母が去年の12月初めに入院した。大腸が悪かったらしく腹を切り、大腸を取り除いたのだった。本日は二度目の見舞いだ。
道に慣れてはいるのだが今日は少し遠回りをすることにした。進んでいくうちにだんだんと渋滞となる。普段渋滞の起こる場所ではないので工事かなと思いきや、前方で警察官が多数出て交通整理をやっている。おや、沿道に人だかりが出来ている。歩道には朝日新聞社の旗が延々と続いている。なんと駅伝の真っ最中に出くわしたのだった。
普段の生活では見ることが出来ない光景である。車の進行が止められ、そうこうしているうちにトップランナーがやってきた。当然その前を中継車が行き、先導の白バイが行く。テレビではおなじみだが本物を見るのは初めてである。
ランナーとは対向して車を走らせていたので最後尾まで車窓から見ることが出来た。トップとはそうとうな時間が開いている。それでも一所懸命走っている姿は美しいものだ。全てが走り去って行った後、朝日新聞の旗は片付けられ、警察官達は車で拾われていくのである。終わりまでの光景を見ることが出来たのは少し遠回りをしてみようと思ったからで、時間に余裕を持つことは貴重な体験ができることの証明になったかもしれん。伯母のことを忘れたわけではない。術後の体調もよく体のむくみも取れ顔色も良くなっていた。しかし、齢91である。身体には十分気をつけてもらいたいとつくづく思ったのである。