ところが、それとはまったく正反対に町人の街である宿場、街家等はそうではない。汗と涙と笑いとがあちこちに染み付いたのか、生活感が溢れ、今でも枯れることなく太く黒い柱や梁からじわじわと滲み出ているのが感じられるのは私だけではないだろう。その感じが又、心をしみじみとさせてくれるのは日本人の魂である。
低い軒、海鼠壁、格子戸、連子窓、白壁の土蔵、鏝絵、本瓦葺の屋根、卯建、木と土と白漆喰、白と黒、青灰色、弁柄など、そこからは個性が溢れだし、自由奔放、闊達、派手さとお洒落とが統一され、美意識さえ感じられる繊細さを有して、なんと洒落ていることか。この粋なセンスはどの様にして生まれてきたのか。[続く](写真:備中高梁の街並み)
低い軒、海鼠壁、格子戸、連子窓、白壁の土蔵、鏝絵、本瓦葺の屋根、卯建、木と土と白漆喰、白と黒、青灰色、弁柄など、そこからは個性が溢れだし、自由奔放、闊達、派手さとお洒落とが統一され、美意識さえ感じられる繊細さを有して、なんと洒落ていることか。この粋なセンスはどの様にして生まれてきたのか。[続く](写真:備中高梁の街並み)