枝垂れ梅である。やはり梅の主幹はこの様であり、枝ぶりはこの様でなくてはならない。桜や松がこの様だとおかしいのである。やはり梅はこうだ。
よく手を入れてある。桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿 とはよく言ったもので、手を入れなければこうはいかん。ただここは古木が多いためか殆どの梅を見上げてしまう。それほど背が高い。高い所に梅が咲くものだから背の低い母はすこしやっかいだったようだ。逆に背の高い我輩は傘が枝に当たるので腰を屈めて歩かなければならなかったのでこれもやっかいなことであった。濡れている感じの風情はあるのだが、やはり天気は晴れている方が良い。
この三月で齢84となる母だ。殆ど平坦な道くらいしか歩けないようになってしまった。何処かに連れて行くにしても考えて場所を選ばねばならなくなった。
見かけは若いのだが歳には勝てぬようだ。