帝踏石

　お判りのようにかなりの大きさである。周りを家々に取り囲まれているが、ここだけは別世界である。上に立って見るとお山の大将にでもなった気分になれる。なにか童心に返ったようで、この上を飛び跳ねてみたくもなる。
　向うにスレートの大きな建物が見える。その前を中津街道が左から右へと延びて行くのである。がしかし、街道は途中で完全に消滅してしまうのだ。現在ではそれも当たり前なのである。

帝踏石

　久しぶりに街道を行く。と言ってもここだけなのではあるが。碑には帝踏石（たいとういわ、或いはていとうせき）第１２代景行天皇に由来する。読んで字の如しである。
　ここは朽網である。この地名も第１２代景行天皇に由来する。それほど古い地である。中津街道からは少し離れてはいるが有名であったろう。ご覧のように石とは書かれてはいるものの正に岩である。ここだけこの岩が取り残されている。周りは全てが住宅街であり、子供達の絶好の遊び場である。この横に小さな公園があるが男の子達は公園で遊ばずこの岩場で遊ぶのであろう。ここで横になると陽が燦燦として気持ちが良かろうと思ったくらいである。