参道口から拝殿を望む。両脇から包み込むように楠木が歓待してくれる。
夏の日差しが厳しい。汗を滴らせながら街道を歩く。
以前として日差しより強烈な「ぼやき」を浴びせられている。
「立場茶屋銀杏屋」の中で足を休めるまで強烈なシャワーを浴びているのだろうな。
大きな痛手を負いながらも一歩一歩茶屋へ近づいてゆく。
深手を負っても伝えるべきは伝えなければならない。名前の由来にあるように大きな銀杏が目に飛び込んでくる。あー秋はいいだろうな。異なった風景が眼に浮かぶ。
最近朝晩は気温が下がるようになった。昼間は夏日が続き残暑が厳しい。
朝顔もそれに耐えられないのか花が小さかった。
今日やっとそれらしく咲いてくれた一輪である。この様な朝顔を絵にしなければならない。
まだこの距離では判らぬが大きな銀杏が立っている。
横から「あそこに駐車場があるんじゃないですか」
「ぼやき」という棘が針に変り、着くまでには槍になるのではなかろうかと思われるほどに我が身に刺さりまくってくるのである。古墳を歩くときは文句も言わず付いてくるのだが、興味の沸かぬ所では遠慮なしに「ぼやき」が「文句」になってくる。
それを軽く受け流すのである。しかし、彼の御蔭で久しぶりの「街道を歩く」である。
例の彼と久しぶりに出かけた。黒崎宿と木屋瀬宿の中間地にある立場茶屋銀杏屋に寄ってみた。茶屋には駐車場が無いため少し離れたところに駐車場をもうけていたのである。当然に駐車場からは歩かねばならない。ところが少しでも歩くことの嫌いな彼は「ぼやき」始めた。それがちくちくと棘のように我輩に刺さってくるのである。
街道は歩くものである。
