若い。若くていい男だ。彼は私の若い頃ではない。私の長男で、中学1年のときである。もうその長男も今は28歳になりなんとしている。
二人は私の伯父、伯母で、伯父はこの二ヵ月後に他界した。そこから私が伯母の為に毎月一度家のことを母と一緒に行くことになったわけだ。そうしてもう十五年が経つ。と言うことは15年間殆ど欠かさずと言っていいくらいに通ったものだ。 伯母は今では齢92歳である。
子供の自転車は少し変わっているだろう。後輪が26インチ、前輪が24インチブリジストン製でアメリカからの逆輸入車である。私はハンドルが膝に当たり乗れない。
この年の夏休みに二台の自転車を積み、妻の実家に行った。そして又二人で平戸までを往復した。二人にとっていい思い出になった。
実家に辿り着くと、妻、弟、爺さん、婆さん、甥っ子、姪っ子、伯父、伯母が出迎えに出ていた。子供に「きつかったろう」と言いながら帰宅を歓迎してくれ、皆で家に入っていった。こら、ちょっと待て、俺もきつかったぞ、こら、俺は無視か、こら待たんか。と、俺はまだ外にいる。