日々好日

さて今日のニュースは

取り調べ全面可視化を

2010-03-21 08:22:06 | Weblog
茨城県で起きた布川事件の当事者の再審公判が近く開かれる事で取調可視化の問題が注目を
浴びて来ました。

布川事件では逮捕された本人が、最高裁で無期懲役が確定し20年近く服役しました。
一貫して虚偽自白強要を主張しました。
仮釈放後再審請求して再審開始決定となったものです。

是まで鹿児島志布志事件や富山氷見事件等警察の強引な自白強要で免罪事件が引き起こ
されて居ます。

3年半の及ぶ54回の取り調べで自白した志布志事件。強姦事件で懲役3年の刑が確定後に
真犯人が出て冤罪と判明した氷見事件いずれも警察官の強引な自白強要による自白で裁判が
行われていました。

容疑者が自白後「脅されて調書に署名させられた。言ってない事を調書に書かれた」等と
自白を裁判途中で翻し、弁護側と検察側の不毛の水掛け論に終始し裁判の長期化や免罪発生
という事態が続出しました。

昨年から始まった裁判員制度では、裁判の早期完結と裁判の国民参加がうたわれ、シロト
にも分かり易い証拠等の提出が絶対条件とされます。

そのためには取調の全面可視化が迫られて来ました。
検察側は捜査に支障を来すと拒否して居ますが、一部可視化を施行して居る所も有ります。

人が人を取調べるには大きな問題があります。ハイ私がやりましたとあっさり自白して
呉れるケースは希でしょう。

当然取調べ官も取調べ技法の限りを尽くし責めますし、当然被疑者も不利な事は口が裂
けても言わないと言うケースが多いでしょう。

そこでつい机をタタキ恫喝したりすかして同情を引き自白に導くと言う技法を取る事もある
でしょう。

テレビやドラマで出てくる様な乱暴な取調べは現在無いと信じたいが、なにせ警察官も点数
制で被疑者を「おとしてなんぼ」の世界で「おとしの某」が重宝される警察体制です。

そのためには一部始終を録画録音で可視化すべきと言うのが取調べ全面可視化の主張です。

これが一部だと都合の良い所だけ録画録音される恐れがないとはいえません。
そのためには全面可視化が言われて居ます。
又検察官手持ちの証拠リストの開示も併せ是が本当の可視化だと言われて居ます。

取調べ全面可視化は民主党の政権公約の一つでしたが、実務的な課題が解決出来て
てないとした法務省見解で「可視化法案」は今国会への法案提出を見送り成立は絶望的
となりました。

可視化の対象範囲等の検討で来年の6月頃まで掛かり法案提出は早くても2012年の
通常国会頃との見方が強い。

これて検察側や司法官僚の最後の悪あがきのようにも取れますが、穿った考え方でしょうか?