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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

虹の階梯 チベット密教の瞑想修行

2009-09-17 20:46:06 | 中沢新一
中沢新一 ラマ・ケツン・サンポ 1993年中公文庫版
文庫は改稿版です。1981年平河出版社の単行本をもってたんだけど、いま探してもみつからない。
チベット密教のはなし。オウムのおかげで、なんか誤解されてるかもしれないけど、密教とは心とは何であるかを学ぶことである。
この本は、すばらしい。仏教とは、この本を実践するかしないかである。書いてあることをやるかやらないか、やるべきことはすべて書かれている。
無常、輪廻、因果といった仏教修行を始めるにあたって理解すべきことも解説してあるし、実際の瞑想やマンダラのささげ方の手順も詳しく述べられている。ポワ(この語も何も知らない人に誤解されているのでは)についても書かれている。
全編にわたって、仏教らしい、わかりやすい例え話を交えて、イメージしやすい解説がなされており、ムリに修行の実践をしようと思わなくても、読んでるだけで面白い。
なかでも、おそらく、仏教にとって最も大切なものは、「発菩提心」であろう。
発菩提心ってのは何かってのは説明が難しいんだが(だって、この本一冊分のころになるから、簡単には説明できない)、すべてのものの心が救われるといいなーと願い、そのために心の覚醒を祈るって感じになるだろうか。
心には始まりも終わりもなく、心の連続体はとだえることがない。輪廻する生きるものすべては、かつて自分の親や子であったかもしれない。そう思えば、すべてのものに対して慈悲の心がわいてくる。そして、あらゆる生きものが心を解放し、心の本然にたどりつけるよう願うのである。

虹の階梯―チベット密教の瞑想修行 (1981年)
中沢 新一
平河出版社

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