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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ねじれの国、日本

2011-11-11 18:33:14 | 堀井憲一郎
堀井憲一郎 2011年10月 新潮新書
最近とみにマジメなことを語るのが多くなったような気がする、私の好きなライター・ホリイ氏の、新刊。
今回は、日本論。
この国について、どーしてちょっとヘンなんのかというあたりを明かしてくれてます。
タイトルの「ねじれ」というのは、日本国内では、ゴチャゴチャと議論したりとか、あまり厳格な決めごとをつくったりとかしないでも大丈夫な国民性をしてんのに、外国に対しては、なんかそれらしい外向きのものを作っちゃてるというあたりを指す。
そのへん、まず、日本を「内向きの国」と見破るとこから始まる。
あっさりいえば、日本は内向きの国である。国内のことだけを考えていればいい。(略)内側だけでいろんなことをまわしていって、事足りるのである。
あまり政治的人格が育たない社会を形成している。(略)小さいエリアで通用する政治手法で、日本全体も何とかなる、と考えている。やり手の町内会長さんがやっていることと、政権与党の政調会長の考えていることに、さほどの違いがない。そして、不思議なことに平時はそれで治まるのである。
日本人は、仲間内で集まり、何となくの総意で決定していくというスタイルがとても安心する。
日本は、自らのシステムを外に向かって説明する気がない。説明しなければいけないと考えたことがあまりない、というのが近いだろう。
同化し、同調することによってのみ、わが民族は存続してきた。われわれは仲間であるという確認を通してのみ生き続けてきた。しかも、問題なのは、このおもいを言語化していない、ということである。みんなで言葉にして確認したことがない。一度だってない。でも、あきらかに民族的基調は「言葉にすることなくみんなで同調していこう」というところにある。
といったことが、あちこちで繰り返すように書かれてます。
そーだよなー、なんて安易に同調しちゃいます、私も日本人ですから。
ところが、外向きに、なんか主張しなきゃいけなくなったときに、ムリにそれらしい態度をとります。とりました。歴史的には、大きく2回。
一度めは、天智天皇から天武天皇にかけてのころか、日本書紀とかつくって歴史をこしらえてたころ。
対中国ってことで、いままで自分たちの国の呼び名なんて意識してこなかったのに、神武天皇即位のころからこの国は一貫して続いてます、日本です!って宣言した。
(著者は、これを「“日本国”起動プロジェクト」って呼んでる。)
二度めは、明治維新のとき。ヨーロッパの植民地にされちゃたまらないから、日本は近代国家です、大日本帝国です、憲法だってあります、と宣言した。
いずれのときも、天皇の存在をトップにすえる形で使ってしまったんだけど、実際のところ日本国民の日常においては、天皇を国王だと意識してなかったわけで、そのへん、内向きではなんとなーく同調してたものを、外向きに説明しようってシステムを作っちゃったあたりが、「ねじれ」てるってことになる。
おもしろい歴史認識だと思うけど、それよりも、私が本書のなかで、気に入っているのは、ホリイ氏がそういういろんなことを解説するなかで、自分たちはそういうもんだと意識しろって説くところだったりする。
われわれは、いつも同じトーンでしか繰り返せない。それをきちんと認識していたほうがいい。同じことを繰り返さないように学ぼう、というのは、たわけた寝言でしかない。失敗からは学べない。われわれは繰り返すのだ。そういうものだ、ということを、ひたすら強く認識するしか方法はない。
とか、
基本は、いつも内を向いている。外交は、あまり考えてない。得意でない。あまり考えたくないからだ。これは変わらない。変えられない。しかも、変えなくてもいい。私の意見はそうだ。ただ、そういう“変わったシステムである”ということは意識しておいたほうがいい。外国人に指摘されて納得するのではなく、自分たちで認識して、奇妙なシステムだけれどもこれでやっていけるんだ、と考えているほうがいい、ということである。
とかってとこに、私は赤鉛筆で強く線引っぱっちゃったりするんである。
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地獄の戦士

2011-11-10 20:52:43 | 諸星大二郎
諸星大二郎 1981年 集英社ヤングジャンプ・コミックス
というわけで、またボチボチと諸星大二郎のコレクションを、できたら順を追って、並べていきたいんだが。
古い順だと、今回はこれ。私の持ってるのは1986年の第3刷だけどね。(定価360円だけど、鉛筆書きで140って数字が裏表紙めくるとあるから、古本屋で買ったんでしょ。)
短編集です。コンテンツは、
「地獄の戦士」
「商社の赤い花」
「子供の遊び」
「ユニコーン狩り」
「復讐クラブ」
「桃源記」
タイトル作の「地獄の戦士」は近未来的SF。
人間が滅んでいくなかで、人間の細胞からできた「ダミー」が、その存在目的である“人間のまね”のため、残された人間をサンプルとして扱ってるような話。けっこうドロドロしてます、あまり救いがない。
「商社の赤い花」はSF。
会社のために尽くそうとする若手社員が、とある惑星に派遣されるんだけど、そこはまったくの不毛の土地。
「子供の遊び」は、気持ち悪いよ~。なんだか分かんない生き物が出てくるのは、諸星作品らしいけど。
「ユニコーン狩り」は、けっこう好き。この短編集のなかでは、いちばん好きかもしれない。
主人公の高校三年生ミエコが、街で会ったヘンな爺さんは、長年ユニコーンを追いかけてるんだという。
電柱についてるキズをみて、これはユニコーンが角を研いだ痕だっていう、ちょっとイカレた感じ。
でも、このマンガのクライマックスで出てくる、「今年 はじめて見る 一角獣―」って見開きの画と、ユニコーンを捕らえた瞬間のその爺さんの姿を描いたコマは、私があらゆるマンガのなかでも好きな一幕のひとつであります。
「復讐クラブ」は、いいよぉ、ブラックな感じで。これは解説不要、読めばわかる・楽しい。
「桃源記」は、諸星流の中国伝奇モノにつながる作品。
東晋の頃、江南の地で、いわゆる桃源郷にたどりつく陶淵明の話。
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カゼのなおしかた

2011-11-09 21:20:46 | Weblog
土曜の夜に、うっかりして、ノドが痛くなった、今回のカゼ。
(って自己診断だから、勝手にカゼと呼んでるだけだけど。)
日曜日は、ハナにティッシュ突っ込んで寝るような破目になってたんだけど。
月曜日には、馬に乗りこそはしたけれど、くしゃみ・ハナミズひどいし、ボヤーっとしてて。
でも、火曜日の朝には、どーやら鼻も通ってたし、ほぼ治った感じだった。
思ったより症状軽かったし(熱が出なかったのは助かった)、予想してたより早く回復したのは幸いだった。
ただし、このあと、しばらくは咳が出るだろう。
体質なのかなんなのか、気管支が弱いらしいので、自分の感覚的にはカゼなんてとっくに治ってるはずなのに、その後延々と咳が出る。2ヵ月や3ヵ月続くのは、ザラ。
また、その咳が、自分では普通のつもりなのに、ちょっと妙な響きらしい。獣医師(私のまわりは、人のお医者さまより獣医師が多いw)に、「ヘンな咳だ」とか「あんたの咳は、深いねぇ」とか言われると、なんか不治の病かかえてんぢゃないかと思わないこともない。
自分の身体のことなので、もう長年のつきあいで慣れちゃってはいるんだけど、でも嫌なのは、このあとしばらくの間は、夜中に咳で起きることが予想される。(きのう、ちょっとその兆候があった。)
あれはツライ。夜中に烈しく咳き込んで、目が覚めて、胸のとこがヒリヒリしたまま、上体跳ね起きるような勢いで止まらない咳が繰り返されるのは、なすすべもなく、けっこう大変。

さてさて、咳はどうしようもないから置いといて、カゼひいちゃったときの私の対処方法。
薬とかキライなんで、まず飲むことがない。
医者も行かないです。平成16年か17年ころだったか、いちど39度5分出したときは、行った。「つらいでしょ」って注射うたれたけど。
薬とかでオモテにでてくる症状を少しくらいおさえたって、根本的には、身体の抵抗力で戦って克服するしかないと思ってんで、ただただジッとしてるようにしてます。(ある意味、動物。)

でも、まあ、まったく何もしないわけでもなくて。
いわゆる民間療法がいろいろあるけど、私としては、とにかくネギを食う、というのが昔っから好み。
長ネギを、うかつに顔近づけると涙が出かねないくらいの量、小口に刻んで、朝晩食う。
むかしは味付けとして、味噌汁オンリーだった。熱いとこにネギ大量にぶちこんで、半分ナマで辛いくらいのほうがいい、それをハフハフ食う。
近年では、ワンタンがフェイバリットになってる。ちょっとのひき肉に、多量のみじん切りのネギ混ぜて、ワンタンつくる。中華風のスープで煮たら、仕上げにこれまた小口切りのネギ、どさっと入れるのが気に入ってる。
そんなもん食べてると、汗かいてくるんで、熱いフロにさっと入って、あったかくして、さっさと寝る。

寝ることに関しては、昔聞いた、ある指揮者(だったかな?)の「カゼを1日で治す方法」ってのによると、熱いフロ入って、たくさん(セーターとか?)着込んで、たくさんの毛布だか布団にくるまって寝る、そして汗ダクダク出す、ってのがあったと思う。
私も似たようなことは推奨するけど、あまり派手にやって、ちょっと間違うと、汗かいたあと冷えたりして、たいへんな逆効果になりそうなんで、そこまで(セーター着るまで)極端にはやんない。Tシャツ余計に着て、夜中・明け方に目が覚めたときに着替えるとかは、あるけれど。

ま、今回も似たようなことして、治しました。(ネギとあったかくして寝ること。)
体力の衰えを気にしてるわりには、思ったより抵抗力のようなものがあったんで早く治ったかと、自分なりにちょっとうれしい誤算。

…あしたこそ、読んだ本かマンガについて書かなくては。
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二日連続

2011-11-08 14:56:55 | 馬が好き
ブログのネタがないので、乗馬にいく。
うそ。
しかし、衝動買いをつづけたせいで、読んでない新刊が、いま机のかたわらに6冊ある。(ひとつは1・2巻セットなので物の数としては7つ。うち文庫は一冊。)
読み終わったばかりの新書がひとつ。それら新刊をほったらかしにして、ふと読み返したくなって読んでる前から持ってる文庫がひとつ。
読書の秋だと思っていると、きょうはそれでももう立冬だという。
朝方の雨もやんだようなので、自転車で出かけてく。きのうまでとはちょっとちがう、指先がやや冷たく感じる。
美浦の気温は、東京とかに比べると、夏でも冬でもだいたい3度くらい低い。車で移動してると、温度計の表示が下がってきて、改めて認識することもある。
(体感よりデジタル数字のほうがリアルに感じるのもいかがなものかとは思うけど。)
ということで、去年もイチョウの色づきに差(美浦は早い)を感じたんだけど、今年の紅葉も真っ盛り越えて、落ち始めてるよ、葉っぱ。(掃除するとなると、大変 ←ヒトゴトか?)

(↑歩きながらシャッター切ったのでブレてる。)
さて、昨日それなりに大変だったので(なんか尻の筋肉が痛い)、今日はフラヴォン。
なに乗っても(エアサンタムールでも!?)いいと言われたんだけど、そこに名札があったから、って軽い感じでフラヴォン選ぶ。
(朝、馬房から出したとこで写真撮るのが常なんだけど、長い毛のあちこちが汚れてたのを取ったりしてるうちに、乗る前に撮るの忘れてしまった。)
馬装しおわると、なんか元気いいぞ。勝手に飛び出してっちゃいそうだ。
一瞬、このまま手を放したら、勝手にどこへ行くんだろう?と興味に駆られたが、もちろん放すのはヤメとく。
(勝手に馬場行って、適当に何周かしてきて、帰ってきて自分の馬房入って、扉閉めて寝そうだよね、フラヴォンって。)
広い馬場では、なんか整備をしてるみたいなんで、小さいほうの馬場で乗る。
真ん中に竹柵障害があるんで、最初に見せに行ったら、知ってますよ、こんなの、とばかりに涼しい顔された。

常歩して、やがて軽速歩。きょうは最初からアブミひとつ短め。
ウォーミングアップで、ダランとした感じでやってると、そのままアタマを下げっぱなしで歩いてる。
そのうち、いつものように、おりゃ、こっち来い、って手綱短くして手元に引き寄せるんだけど、その後でも今日は何度か、クビをムリくり曲げさせるんぢゃなくて、もしかしたら手をもうちょっと前というか下にしたほうが、馬はバランスよく動きやすいのかな、ってのが気になって、微妙にいろいろ変えてみたりした。
速歩から、やがて駈歩。左右やって、準備運動おわり。ここまで15分くらい。
ぢゃあ何やろうかってのもないんだけど、とりあえず速歩で詰めたり伸ばしたりしてみる。前出して、ジッとガマンして、長辺では歩度を伸ばしてみて、隅角でまた詰めて、前に強く出てるのを意識して巻乗り、そんなのの繰り返し。

うまくいくときもあるし、いかないときもある。スピードが変わるだけぢゃなく、馬の肩ちゃんと動いてっかなーって下を見るんだけど、なんだかよくわからない。
正反撞で、ふつうの速歩から中間速歩にするのイメージして動かしてみるんだけど、ダメだ、こりゃ、なんちゃって速歩にしかなってない。
そしたら、駈歩でもおんなじようなことやる。駈歩だと、詰めるほうを気をつけてやる。こないだの障害練習を思い出す、ここで好きなように馬を戻せないと、障害向いたらまた走っていかれちゃう。
適当に30分くらいやって、本日の練習おしまい。

汗びっしょりになってしまったフラヴォンを洗う。なんか寒そうにフンフンいってるんで、文明の利器ジェットヒーターを今シーズン初めて持ち出す。
私のほうは、昨日の午後はつらかったのに、なんかカゼは治ってしまったようだ。
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カゼひいたけど、乗馬

2011-11-07 19:18:08 | 馬が好き
きのうからカゼひいちゃって。きのうは、一回休み。
このブログ始めてから、カゼひいてツライからって理由で書かなかった記憶ないんで、どんなもんだかと別の記録を調べてみたら、たぶん本格的にカゼひいたの2008年7月以来。
カゼひいたいきさつは、つまらないもんで、いつまでもあったかいからって、薄着で夜よこになってウトウトしてたら、いつのまにか寝入ってて、そこで寒くてノド痛くなったってわけ。
ただの不注意。すっげー自分に腹が立つ。
それはそうと、一晩寝たら治りゃしないかと、淡い期待を抱いてたんだが、そんなはずもなく。
ノド痛いのは消えたっぽいから、次の克服すべき症状はハナ水だな、こりゃ。
でも、幸い、熱はないみたいなんで、朝起きてからウダウダ体調の様子をみてたんだけど、予定通り、きょうは乗馬に行く。
いい天気だ。
どーでもいーけど、今年こそ、筑波山に登ろうと思ってんだけど、どうやら使える休みは乗馬に充てちゃうんで、3年も美浦にいたのに、とうとう行かないかもしれない。
栗東にいたときは比良山、札幌にいたときは(旭岳とか羊蹄山とか本格的なのは無理だから近場の)手稲山。どこ行っても、そこから見える山に登るのが趣味だったんだけど、どーかなー、筑波山の実現性はヤバくなってきた。
(そこから見えるという意味では、栗東の坂路の向こうの鶏冠山とか、札幌の天気予報を司る藻岩山とか、ほんとすぐそこにある、低いのにも登ったよ。)
山はともかく、天気は良好、カゼひいてさえいなきゃ楽しい乗馬ができそうだ。服装は長袖のシャツ1枚。しかも腕まくり。なかなかウインドブレーカーは登場しないけど、手入れのとき寒かったら用として持っていく。
きょうの馬は、キングフッド。

ひさしぶりぃ…。どんな馬かは身をもって知ってるよ。きょう指の皮むけるか、あした筋肉痛になるか?
でも、たまには乗ってみたい一頭ではある。
バランスをまちがって、馬と重心が一致しないと、過剰に反対方向に作用してくれて、そーゆー意味では練習になる馬である。
さてさて、馬装してると、またいつものように、フグフグとちょっかいだしてくる。
近ごろ教わったところによると、人と馬の関係において、人のテリトリーに馬が入ってくるのは、ダメダメなんだそうである。
私は、べつに怖くないんで、舐めたり噛んだりされても、おぉ、そーかそーか、って適当に相手してんだけど、それって馬のシツケ的にはNGである。
私ひとりがOKでも、それで他のひとが迷惑することもあるだろうから、ちょっと以前より厳しくする。むやみに近づいてきたら、ダメだぞって言ってみる、そこで下がったらプレッシャーをかけないようにして、ポンポンしてやる。(ホントにうまくできてるかは、分かんない。)

馬装できあがったけど、なんか、寝てるよ、キングフッド。
そのまま寝ててくれればいいんだけど、動き出すとエキサイトすんだよねー、困ったことに。
馬場に出て(出る前に常歩で、何とかかんとかヤリトリすんのは、いつものとおり)、常歩。
カラダ小さいから乗りやすいんだけど、キングフッド。乗ってられることと、ちゃんと御すことは、また別。
ギュッギュ歩かそうとすると、トモをバタンバタンとして、おとなしくしてないよ。なにが気に入らないんだよ、歩けよ、ほら。
速歩開始、軽速歩。ほっぽっといてもサクサク歩くんで、あんまりガンガンやったりとか、いきなり必要以上に拳つかったりとかしないで、まあ適当にやる。
出てるようで出てない感じ。なので地上横木を通過してみたりする。
横木のまたぎっぷりは、まだ本格的な前進ぢゃないよ。なので、あんまり大きくまわらないで、八の字書くみたいに、横木周辺をクルクル手前替えながら、なんどもやってみる。
最初、横木に向かったら、馬が勝手に弾むようにポポンポンってスピードアップする。
そうしないように、ゆーっくり跨ぐように、抑えていく。
そしたら、今度は、なんだか知んないけど、左に馬が傾くよ。
真ーっ直ぐ、真ん中を通過するように心掛けて、馬が下を覗き込んでも一緒に下を見ないように、気持ち左の脚で圧して、落ち着いたリズムで真っ直ぐ横木を跨ぐように繰り返し。
そのあと駈歩。小さい輪乗りで駈歩。
最初っから、ハミ受けろとか、歩度を詰めろとか、ゴチャゴチャ要求しない。
まずは落ち着いて輪乗りの駈歩ができることを確認してから、ぢゃあ少しだけスピードアップしてみる?こんどはちょっと詰めてみる?って、馬にきいてみる。
前に乗ったときより、ちょっとは抑えることができてる気がする。気のせいかもしれないけど。
広いほうへ出てって、歩度を伸ばしてみたり、ツーポイントにしてみたり、それでまた詰めてみたり、シートしてみたりして、巻乗り。そんなことの繰り返し。
とにかく、引っ張りっぱなしはダメさ。
ニュートラルな位置で、馬と折り合える場所を作りたいし、そこの状態を続けたい。引っ張ったら、馬も引っ張り返して、際限のないバトルになっちゃう。
んぢゃ、障害やりますか。
速歩でクロス。
「止まってもいいから、ゆーっくりと。ポッコンと飛ぶ感じで、ゆーっくりと」と言われて、ユックリ入る。とても障害飛ぶ勢いには見えない。
プレッシャーかけない、正面に障害を見据えて、でも脚でギュッとしないで、ただただ真っ直ぐ連れて行く。馬が障害を見ながら、ポンと飛ぶ、上出来。
何度も繰り返し、プレッシャーをかけない。馬の上で、引っ張ったり、追ったりしない、ジッとしたまま、ポンと飛ぶ。前肢や後肢がバーに触れたって気にしない、ガーッと走って通過するより、よっぽどいい。
バーが上がってく、垂直になる、でも同じことの繰り返し。ゆっくり入って、ポコンと飛ぶ。
専門的に言うなら、馬の背中が緊張しやすいらしい。でも、そんなこと私があれこれ言う立場にはない。
とにかくギュッギュとプレッシャーをかけないで連れてく、連れてったらアトはジャマしないようについていく、それだけ。
飛んだあと走られそうになったとしても、あわてて人間が上体を後ろに引くと、逆にバランスを崩された馬は前に走ろうとする。そのへんは今まで何度か乗ったんでわかってる。
とにかく、馬の真上にいること、馬と重心を一致させること、それだけが大事。
何度かやるうちに、速歩で飛んだら、すぐまた速歩、回転したら、ゆっくりと次の障害に向かって、またポッコンと飛ぶこと、飛んだら駆けないでまた速歩にして、次の障害をポッコン、飛んだらすぐ速歩、ってテーマが課される。
やってみると意外とタイヘン。火のついたキングフッドは、ほんとタイヘン。何度かやるけど、イメージどおりにはいかない。
先生に乗り替わって、言うこときかされた後に、もういちど乗ったけど、やぱ勝手にイケイケ状態。

コンビネーションあきらめて、単発の障害を、輪乗りのなかで飛ぶように、駆歩でいろいろやってみる。
思ったように言うこと聞いてくれてないけど、ま、まあまあでしょってとこで、おわり。
ほんと、難しいな~、キングフッド。
でも、乗るのは、決してイヤぢゃない、やりとりが楽しい馬ではあります。

↑ 洗ったあとは、前後逆につないで、天日で乾かしてみる。
たまには前後逆の状態をつくるのも、馬にとってはイイ刺激ぢゃないかなって、私は勝手に想像してるんだけど。
どーでもいーけど、小バエが多くて。まとわりつくのを、シッポで払ってるうちはいいんだけど、キングフッドはトモの蹴りで何とかしようとするよ。
尻尾ではたかれるぶんにはまだしも、カラダや脚を拭いてるときに、そんなキックがとんできたひにゃぁ、タイヘンなことになる。でも、たぶん、抗議しても、馬としては「なんで、そんなとこに居んだよ?」としか思ってくれないんで、そりゃあ、蹴られ損。


※おまけ

お預かり馬。オンワードマック、福島競馬場行き。
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