many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

無関係な死・時の崖

2013-06-11 18:27:14 | 読んだ本
安部公房 昭和49年 新潮文庫版
本棚にあるものを整理していこうと思うと、むかーし読んだ文庫本とかを読み返さなきゃならない。
安部公房は、一時期好きで、読んだ。
この短編集、持ってるのは昭和59年の16刷。
「夢の兵士」(昭和32年)
冬の行軍訓練から一人の兵士が逃げ出したことにまつわる村の話。
「誘惑者」(昭和32年)
終列車が出たあとの待合室のベンチで夜を明かす、追う男と追われる男。
「家」(昭和32年)
>Bの家には、もう何代も、あるいは何十代にもなっているかもしれない昔の祖先が死なずにそのまま生きつづけている。
「使者」(昭和33年)
講演会の控室にいた奈良順平のところに訪ねてきた男は、自分が宇宙人だという。
「透視図法」(昭和34年)
現実・盗み・泣く女の3節からなる、うらぶれたベッド・ハウスのなかの風景。
「賭」(昭和35年)
設計の仕事をしている“私”のところに持ち込まれた依頼は、しょっちゅう変更があり、二階と三階の部屋を隣りあわせにするような無理な注文ばかりであった。
「なわ」(昭和35年)
屑鉄置場で遊ぶ子供たちを、男が板壁の穴からのぞくところから始まる、ちょっと陰惨な話。
「無関係な死」(昭和36年)
Mアパート七号室の住人Aが帰宅すると、部屋には見知らぬ男の死体が転がっていた。これをどうやって片づけようかと苦心する話。
「人魚伝」(昭和37年)
人魚に恋した男の話。っていうと、ありそうな話だけど、人魚が何を食べるかって、こんなリアルに書くような童話なんかはないと思う。
「時の崖」(昭和39年)
ボクサーの試合中の意識を一人称で書いた話。
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行ったことない土地

2013-06-10 23:36:23 | Weblog
ちょっと所用があって、宮崎経由で、鹿児島県内のとあるとこに行ってきた。
宮崎県も鹿児島県も、行くのは初めてであった。

(↑ 宮崎行ったらさー、空港から街道からどこから、ほんとにフェニックス植わってんのね、絵に描いたようでビックリした。)
んで、なにしに行ったかとか、実際現地で何したかとかってのは、べつに書くほどのことでもない。
それはいいとして、私にとって行ったことない都道府県のうち、一気に二つ、その地を踏めたことには感激(大げさ?)したんで、あと行ってないとこはどこだろ?なんて数えてみる気になったわけで。
都道府県べつに北からあげてみると。
秋田県。…山形までは行ったんだけどねえ。
富山県。…新潟も石川(金沢)も行くんだけど、富山には用事をつくれない。
三重県。…通過したことはあるんだけど、降りたことはない。
鳥取県。…行ったことないねえ。
岡山県。…通過はするんだけど、降りたことはない。
香川県。
徳島県。
愛媛県。…四国は、なかなか行くことないです。高知には一度だけ。
長崎県。…行ったことないです。
大分県。…行ったことないです。
沖縄県。…遊びで行きたいねえ。
ということになる。
こうしてみると、あとちょっとなので、なんとか47都道府県、行ってみたい。

(↑ この馬は、鹿児島県にいました。)

(↑ これは宮崎。)

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米長邦雄の本

2013-06-07 22:12:13 | 読んだ本
日本将棋連盟 2004年
きのうのつづきのようなもので。
2003年12月の最後の対局をもって現役を退いた米長永世棋聖の引退記念ってことで刊行された「全編書き下ろし 永久保存版」の一冊。
自戦記は、羽生との名人戦、そこまで3連敗を喫して、負けたら引退と決めて臨んだ第4局。
ほかにも中原、谷川、羽生、佐藤康光といったところが寄稿。
弟子の3人、伊藤能、先崎、中川が師匠を語ってる。

ついでなんで、もう一冊。
「名人、米長邦雄のすべて。」1993年将棋世界8月号臨時増刊号
悲願達成した直後の特集号である。
もう全編めでたいって感じ、喜びにあふれてる。
棋士、関係者から寄せられた賛辞もいいけど、米長語録もおもしろい。

これ、たぶん絶版ではないかと。
なんかあるたんびにイベント的にこういうのが出ると、商売商売だなあって思っちゃうんだけど、やっぱファンとしては記念になるものは手に入れておくべきなんだろう。
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将棋の天才たち

2013-06-06 21:05:10 | 読んだ本
米長邦雄 2013年2月 講談社
きのうのつづきみたいな感じで。
昨年亡くなった、私のいちばん好きな棋士、米長さんの本。
2008年以降、週刊現代に連載してたのを集めたもの。
ホームページなんかで、その連載の存在は知ってたんだけど、雑誌読む習慣がないんで、いちども見たことなかった。
基本は「名棋士今昔物語」ってことで、一回あたりに一人の棋士をとりあげて、その人物とか、名局について書いてる。
えらいのは、若手とかにもわざわざ取材に行ってたりすること。
大先輩の会長に、「これまでで印象に残った局面をあげろ」とか迫られたら、こわいよねえ。
まあ、自分の弟子にだって、最新戦法の教えを乞うからにはこちらから出かけてく、なんてスタイルを貫いたひとだから、きっと丁寧に話をきいたとは思うが。
将棋知らないひとが読んでも、おもしろいだろうとは思います。(基本、棋士って変人みたいなもんなんで、エピソードがおもしろい!?)
コメント (1)
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頭脳対決!棋士vs.コンピュータ

2013-06-05 21:18:34 | 読んだ本
田中徹&難波美帆 平成25年5月 新潮文庫版
最近読んだ本。
いや、こないだ、プロ棋士とコンピュータソフトが5対5の団体対抗戦やったら、人間側が1勝3敗1分で敗けて、まだそんなことにはなるまいと思ってたんで、けっこうショックだったんだけど。
その前に、コンピュータに勝ったら懸賞金進呈って企画で、アマチュアの強豪が挑んで、数人しか勝てなかった時点で、気づくべきだったのかもしれないが。
で、本書は、それに先立つことかなり前、2010年10月に、女流トップのひとりである清水市代さんと、コンピュータ将棋、しくみはよくわからんが169台を接続するというシステム、が戦ったのをメインに書かれてる本。
ちなみに、2005年に日本将棋連盟(の会長・米長邦雄)は、公の場で許可なく将棋ソフトと平手(=ハンデなし)で対局することを禁じる、という通達を出してる。それだけ、やばくなってきたってことだろうけど。
でも、まあ、この本は、将棋にもコンピュータにも詳しくなくても、それなりに楽しめると思います。
細かいことは抜きにして、読んで「ほー」と思ったとこをいくつか。
対局にあたってコンピュータの指し手に驚かないようになった清水の態度について、日本代表レベルのスポーツ選手をサポートする脳科学者の意見、
>能力を最大限発揮するためには、「対戦相手を好きになり、共通の目標を持ち、尊敬する」ことが必要である
ってのを実践してるってとこが、ひとつ。
もうひとつは、将棋とかチェスとかいろんな方法をとってるけど、結局「知性」って何?ってことを研究してるんであって、そういうことしてる人たちが行きつく先は、もしかしたら「身体性」かもってとこ。
>知性の源となるのが「生きたい」という欲求であるとすれば、知性は身体と切り離せない関係にあることになる(略)
>「昔は、生きたくないやつもいたのじゃないかな。でも、生きようとしたやつが残った」
って、実は知性っていうか、生命の根源になるとこ、言い表してんぢゃないかなあ。
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