かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

もっとうまくやれるのに....

2006年05月24日 | Topics
今日の帰りは、雷が鳴り響く嵐模様だった。日中は、晴れ間ものぞいていたのに。不安定な天気が続いている。

今日は、朱建栄(しゅけんえい)さんの講演を聴く機会があった。上海出身だが、86年以降日本で活躍されている中国人の大学教授だ。
現在の中国の状況、日本との確執の本質をわかりやすく説明いただいた。裏をとっている訳ではないが、話の筋は100%通っている。タカ派を呼ばれる先生方と、個別に話されたら随分いい方向に行くのではないかという内容だった。この手の交渉(ネゴ)は、お互いの国の面子があるので、公開討論にはそぐわない。

今日の話で、印象に残ったことを羅列すると

1、中国は、近代になってから、戦争に勝ったこともなく、先進諸国に対するコンプレックスをずうっとかかえてきた。日本に対する感情が悪くなったのは、満州事変以降で、日清戦争時は、逆に自国政府に対する批判につながったほどである。

2、中国にとっては、第二次世界大戦は、日本に侵略されたことが100%で、他は何もない。その感情を、日本人は、理解する必要がある。

3、愛国心教育は、天安門事件以降、共産党への求心力がなくなった代わりに急遽スタートしたが、そのテーマ100項目中、日中戦争(反日思想)に関するものは、3項目しかなく、国民党との戦いが1割、その殆どが、中国4000年の歴史教育である。その証拠に、反日運動が盛んになったのは、2002年ごろからで、1990年代は、反米運動はあっても反日運動はなかった。

4、つい30年前まで、中国の全てが貧困層に分類できる状況であった。今もまだ発展途上国であり、先進国と同列に議論するのは難しい。今出ている諸問題は、衣食足りてきた中間層が、2割強出現したことによる権利意識の萌芽によるもので、日本の60年代、韓国の80年代に起こった現象と同質である。ちなみに富裕層は、ほんのわずかで、国民の大多数からは、非難の対象になっている。過半数は、引き続き、貧困層と飢餓層に属する。

5、靖国問題は、A級戦犯が合祀されていることと、国のTOPがそこにお参りすることの2点のみが問題であるので、そのどちらかさえ、回避されれば、全てが解決する。これは、日中国交回復時に、日本に賠償を要求しなかった理由を国民に説明する際に、戦争は、ごく一部(≒A級戦犯)の責任であるという論理を当時の中国政府(≒周恩来)が使ったからである。

6、現在中国で起こっている諸問題は(格差、公害、貿易摩擦etc.)、日本の30~40年前に起こったものと同質であり、その解決方法を探るため、戦後の日本についての研究が行われている。アメリカは、自国と同レベルの強い国家の出現を許さず、中国とアメリカの接近はありえない。現在の共産党の指導層は、日本との関係強化を希望している。

お互いに理解し、話しあおうという気持ちがもっと必要であることは間違いない。今のやり方は、あまりにも稚拙だ。マスコミの報道も、どうしてもセンセーショナルになるので、リスキーだなと感じた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする