昨日のサッカーは予想通り、締まらない感じ。全体としては、悪くはないのだが、決め手に欠ける。ただ、まだまだオシムサッカーはこれから。今回の敗戦を糧にして欲しい。
セリーグも混セになってきた。絶対的な贔屓のチームがないというのは、気楽でいい(ちょっとずるい感じもするが)。
恋するフェルメールという本を読んだ。有吉さんというちょっと変わった経歴の方が書いた本で、フェルメールの絵を全部見ようと、世界各国を旅行する本(全点踏破という別の本も去年出た)。フェルメールは何せ世界で、36点しかないことになっており、内1点は盗難にあって行方不明だから、35点を全部見れば、制覇したことになる。
絵は、その6割以上が、ヨーロッパにあるから(亜細亜には、一点もない)、ヨーロッパ渡航経験2回の私には、そもそもチャンスが少なかったし、知識の無さもあり、内何点見たのかわからない。筆者も、そんな状態からスタートし、はまっていったようだ。庶民的に、主観的に書かれており、読みやすい。ミーハー的ですらある。私小説的な部分もある。2006年12月に見た”遣り手婆”で達成したというから、出来立てのホヤホヤである。
フェルメールといえば、やはり、”真珠の耳飾りの少女”。映画にもなった。この青は、ラピスラズリというアフガニスタン原産の石からできる顔料で、フェルメール・ブルーとも呼ばれる独特の色だ。ちょっと前に、修復され、色が明るくなって、当初やや違和感があったが、今は、もうこちらの修復後の絵が当たり前になった。一万円の図書券を買うと、その図柄にも使われている。
もう一点あげるとすれば、フェルメールが一生(43年間)住み続けた”デルフトの眺望”。今も、変わらない町並み、風景が広がるらしい。土地への愛着と、時間の普遍性を感じさせる絵だ。どちらも、オランダのマウリッツハイス美術館にあるから、フェルメールの絵の探索は、やはり生涯住み続けたオランダからスタートするのが、正道だろう。
最後にベルリンの至宝展と、ドレスデン国立博物館展の話が出てくるが、ここのみ私の経験と重なる。私は、何となく見ているが、筆者によると、すばらしい展覧会だったのだそうだ。メトロポリタン美術館にも、何度か行っているのだが、所蔵のフェルメールの作品を全部見たか、定かではないのが情けない。"窓辺で水差しを持つ女”を見たのは、間違いないが。筆者のいうように、大きな美術館に行く時は、テーマを決めて、何度も足を運ぶのがよい。そういった意味では、シカゴ博物館は、印象派の絵がなんと言ってもよく、わかりやすかった。
これは、ドレスデン国立美術館展で見た”窓辺で手紙を読む女”。ただの絵葉書だが、絵の雰囲気は伝わってくると思う。光の使い方が、絶妙で、意図的かどうかはともかく、絵のストーリー性が感じられるのだ(筆者は、物語性の功罪を本書で論じている)。
この秋来日予定の、”牛乳を注ぐ女”は、絶対見るぞ。