かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

東京国際ブックフェアでの椎名誠さん

2007年07月08日 | China・Mongolia


今日は、憧れ?の椎名誠さんの講演を聴くことができた。

たまたま東京国際ブックフェアなるものがあること知り、その中で、読書推進セミナーというのがあり、その講師が、椎名誠さんだったのだ。

まず、そのブックフェアについて。本好きの方は、是非訪れて欲しい。いろんな出版社が、いろんな出展をされていて、ぶらぶらしているだけでも楽しい。おまけに、割引セールはやっているし、著名な作家の皆さんが、そこここで、対談や、サイン会をやっている。来年は、是非もっとゆっくり訪れたい。

椎名誠さんの話の御題は、『本の力 本の夢』。

話を聞いていて、椎名さんにとって、読書がまさに人生を決めたというのがよくわかった。

小学校高学年で出あった本が、スウェーデン人の探検家であるヘディンによる『さまよえる湖』と、ベルヌによる『十五少年漂流記』。
もちろんその後、柔道やったり、ボクシングやったり、いろいろ経験されたのだが、結局この2冊が、椎名さんの人生を決定づける。
特に、さまよえる湖については、戦後初めて、日本人として、楼蘭にたどり着くことになったのだから、奇跡的に、夢を果たしたのだ。
ちなみに、十五少年漂流記のモデルになったと思われる島にも、全て行っているという。

椎名さんの言っていた非公開の恥ずかしい話を2題。

1、幼少時代、世田谷→本所→幕張と引越したそうだが、幕張に引っ越した時、回りは、皆坊主頭で、裸足だったという。椎名さんは、坊ちゃん刈りで、なぜかベレー帽姿だったいう。当時、周りの少年達は、ベレー帽を座布団と思ったそうだ。椎名さんも、即、回りに合わせた。たぶん、続編が作られることが決まった、ALWAYSのころの話だろう。ほのぼのしたいい話ではないか。

2、駆け出し作家の頃、どうでもいい紀行TV番組があって、八重山の黒島で、毒にも薬にもならない軽薄な番組を撮ったとのこと。これが、TV初出演。今でも、この番組に出たことを後悔しているという。
しかしそれが、きっかけで、タフな紀行番組に、どんどん声がかかるようになり、シベリアロケの番組で、業界?トップに君臨していた井上靖さんと昵懇になった。そして、ローランへの旅につながったという。日本男児の、シンデレラストーリーといってもよい。

これは、本で読んだ内容を、どんどん実現してしまった稀有な例かもしれない。でも、読書をきっかけにして、自分の世界を広げている人は、たくさんいると思う。椎名さんは、旅で、不思議に思ったこと(自然科学系のテーマが多い)を、逆に本で調べるのも、習慣になっているという。本→人生、人生→本の、相乗効果だ。だから、完全なフィクション作品への興味は低いという。
この『本の力 本の夢』という演題にふさわしい、楽しく、ためになる話だった。

世界各国の秘境と訪れている方だけに、話も最高に面白い。
椎名さんには、到底及ばないが、少しでも近づけるうよう、精進したい。

写真は、敦煌近郊にある鳴沙山だが、シルクロード通の椎名さんによれば、このように美しい駱駝の隊商の映像を撮れる場所は、ここしかないはずという(駱駝がまずいないし、このような絵になる砂山もない)。したがって、1980年の、NHK特集のシルクロードのオープニングに流れる駱駝の隊商の映像は、間違いなく、今や観光地された、鳴沙山で、撮られたもののはずだという。当時の視聴者は、知る由もなかったが。
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