今日は、池袋で、京劇を見て来た。演題は、西遊記の火焔山。
わざわざ、中国から、劇団が来てくれて、本物の京劇が日本で楽しめる。東京公演は、7/8まで。
北京で、一度観光用の京劇を見たことがあり、その時も、二つあった演題のうち一つが、孫悟空だったので、ややパターンが読めるところもあったが、十分に楽しめた。
今日の話のストーリーを超要約すると、御馴染みの三蔵法師一行の前に、何でも燃えつくしてしまう火焔山が現れ、その行く手をはばむ。その火を消すには、牛の化身の牛魔王とその妻鉄扇公主が持っている芭蕉扇が必要なのだが、彼らは、孫悟空のために息子と引き離されたと逆恨みしており、渡そうとしない。そこで、バトルになるのだが、最終的には、息子も改心して、戻ってきて、芭蕉扇で、火焔山の火も消して、めでたしめでたしという訳。
やはり最大の見所は、最後の鉄扇公主達(牛魔王は、別に狐の化身である愛人がおり、あまり頼りにならない)との対決場面で、アクロバチックな、活劇が繰り広げられる。剣、槍、刀などを使った、多人数による、手足を縦横無尽に使ったジャグルは、迫力満点。座布団回しと、ブーメランも面白かった。特に、今日のは、鉄扇公主という女性が孫悟空の相手で、ますます見ごたえがあった。
北京で見た時は、孫悟空が、海底の神々が持つ武器をもらいに行く話だったが、この時の敵役は、男性だった。
見得をきる所や、顔の隈取など、歌舞伎と似ているところもあるのだが、やっぱり随分違うかな。特にあのサーカス的な動きは、歌舞伎にまねできないところ。
京劇をまだ見たことがない方には、是非お勧めしたい。
火焔山は、トルファンに行った時、実際に見て来たので、このような物語ができた背景もよくわかる。とにかく、砂漠の真ん中にある赤茶けた山だ。
ここを、鉄道も自動車も、何にもない時代に、ひたひた歩いていった玄奘は、本当にスーパーマンだったとしか言いようがない。
この写真は、ベゼクリク千仏洞側から見た火焔山。蟻のように見えるのは、駱駝達。