仙台から、山形に行く時は、仙山線を使う。乗ったことがある人は、頷いていただけると思うが、ぶらりと行く分には、最高だ。春から夏にかけては新緑。秋は紅葉。冬は雪国。四季の魅力を最大限に楽しめる。
通勤に使う人は、かったるいかもしれない。単線なので、距離以上に時間がかかる。
今回は、べにばな号で、最上、出羽の旅に出た。移動距離は結構あるので、このツアーに乗れば、山形通になった気持ちになれるかも。今日は、最上川の編。
この辺りは、もちろん奥の細道の舞台。各地で、芭蕉と曽良の記録がある。芭蕉もこの最上川下りはしたようだ。当時は、観光ではなく、生活のための川下りだったが。奥羽本線が開通する前は、最上川が唯一の交通手段で、酒田を通して、関西と通じていた。紅花など、多くの特産品が、関西へ、最上川と通じて出荷された。
最上川下りの観光船は、雰囲気最高。船頭最高。弁当最高ということで、よかった。一年中営業しているそうで、四季折々の楽しみ方がある。今は、もちろん紅葉。古口から、清川までの、約1時間の船旅だ。冬は、ストーブが出るそうだ。
船頭さんは、船をあやつりつつ、倹lさながらの話術を駆使つつ、歌手さながらの民謡を披露しつつ、観客の反応を見つつ。プロの腕を見せていただいた。
この最上川下りは、見どころ満載。滝が無数にある。最上川の川下りにちなんだ民謡も、当時の生活感あふれる味わい深いものだ。
船頭さんは、その時々の盛りあげ方を熟知しているようで、皆心底楽しんでいた。
義経・弁慶も、ここから平泉に抜けたそうで、縁の地がたくさん残されている。
最上川は、日本三大急流に数えられているが、このあたりの流れは、緩やか。ただ、狭かったり、浅かったりで、船頭兼喋り手兼歌い手にとっては、たいへんなようだ。
これは、終点近くにある白糸の滝だが、絵に描いたようである。こういうところは、フィルター付きでと思うのだが、バカチョンですいません。
ということで、
芭蕉が、
五月雨を 集めて早し 最上川
とか
正岡子規が、
ずんずんと 夏を流すや 最上川
とか
斎藤茂吉が、
最上川 逆白波の たつまでに ふぶくゆうべと なりにけるかも
など有名な詩歌が生まれたのも、納得できる。予想外と言っては失礼だが、よかった。
山形に来たらマストでないかい?
山形県しか流れていない "Yamagata Very Own" の川だ。