今日は、久しぶりに六本木に行く用事があったが、不思議なオブジェが。
いつも何かある街。
本書は、本屋で、見つけた。
まだ、2月に出たばかり。
なかなかインパクトのある表紙。
著者のクマラセリさんは、マレーシアの外交官だったという。最終ポストは、ASEANの総書記だったというから、結構偉い人だったのだろう。
訳者が、私と同世代のお医者さん。
後書きによると、仏教に造詣の深い、ドイツ人の旅行業者の方を通じて、著者に知り合ったのだという。あまりにも、偶然。
本書には、安らぎと平穏のプリンスという副題がついているが、出家前のプリンス時代の出来事にかなり、ページを割いている。
シッダールタが、悟りを開き、ブッダとなるところで、本書は、終わる。
人としてのシャカが、平易な文体で、リアルに描かれる。ベースは、同じだから、目新しいところはないものの、独自の解釈からなのか、興味深いくだりもあった。
例えば、ブッダには子供が一人いるが、本書では、出夫人のヤソーダラが、子供を残すことを条件にしたとしている。ラーフラの名前の由来も、いろいろな説があるが、本書では、生まれた時が、月食の日で、月食の意であるラーフラと名付けたという。
従妹の、デーヴァダッタとの戦いの様子も、妙に詳しく、リアルだ。これも、元ネタがあるのか、かなり創作が入っているのか。
ちょっと高いが、シッダールタが、どんな人間で、どんな環境で育ったのか。そして、何故悟りを開き、ブッダになったのかを、平易に、リアルに描いてくれているので、人間ブッダに興味のある人に、広くお勧めできる。